2025年アフリカ投資先ランキング、コートジボワールが8位に

(コートジボワール、セネガル、アフリカ)

アビジャン発

2025年11月06日

南アフリカ共和国の大手銀行ランド・マーチャント・バンク(RMB)が10月27日に発表した「Where to Invest in Africa 2025/26(以下、WTIIA2025)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、コートジボワールがアフリカの投資先ランキングで、前年の16位から8位に躍進した。WTIIA2025は、躍進の理由として、同国の経済見通しが良好である点(IMFの2025年GDP成長率予測は6.3%)(2025年10月16日記事参照)、電力普及率が94%を達成した点、カカオやカシューナッツなどの農産加工を推進する政策(2023年9月19日記事2024年10月11日記事参照)、2023年から操業するバレン油田や2024年に発見されたカラオ油田の石油・天然ガス開発(2024年10月11日記事参照)を挙げた。また、2024年1月のユーロ債の発行、2025年3月の西アフリカ諸国として初のCFAフラン建て債券の国際市場での発行(2025年4月11日記事参照)、2025年7月の円建て債の発行(2025年7月24日記事参照)についても言及した。2024年のコートジボワールへの海外直接投資額は、国連貿易開発会議(UNCTAD)の「世界投資報告書2025」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、38億200万ドルに達し、2022年の15億9,900万ドル、2023年の24億8,500万ドルから大幅に増加した。

WTIIA2025の投資先ランキングでは、1位から6位は前年と変わらず、セーシェル、モーリシャス、エジプト、南ア、モロッコ、ガーナで、7位にアルジェリア、9位にタンザニア、10位にケニアが続いた。一方、8位だったセネガルは14位に順位を落とした。セネガルについて、WTIIA2025は、前政権下における財政赤字と公的債務残高の大幅な過少申告によりIMFが融資を停止した点を指摘したものの、新政権がこの問題に対処している点、新政権が策定した経済改革戦略、石油・天然ガス開発に期待を寄せた。

なお、WTIIA2025はアフリカ31カ国を対象に、GDPや人口規模、都市化率、通信インフラ、為替安定性、インフレ率、汚職、政治的安定性、人間開発指数、所得格差など20の指標を、「経済パフォーマンスと潜在力」「市場アクセスとイノベーション」「経済安定性と投資環境」「社会・人間開発」の4つの柱に分け評価している。2025年のテーマは「援助から投資、貿易へ」だった。

(長屋幸一郎、橘欣子)

(コートジボワール、セネガル、アフリカ)