コートジボワール、サブサハラ・アフリカ地域初のサステナビリティー連動サムライ債発行

(コートジボワール、日本)

アビジャン発

2025年07月24日

コートジボワール政府は7月17日、総額500億円の環境・社会・ガバナンス(ESG)分野に適合したサステナビリティー連動円建て債(サムライ債)を発行し、サブサハラ・アフリカ地域で初めて日本の資本市場アクセスに成功した。償還期限は10年、利率は2.3%となる。同地域でのサステナビリティー連動サムライ債発行は今回が初めてだ。

コートジボワール財務・予算省によると、サムライ債発行は、国際金融市場のボラティリティー(予測変動率)が上昇する中、資金調達手段や投資家層の拡大による資金調達基盤の拡充を目的としている。これに先立って、コートジボワール政府は2025年4月、日本で投資家向けに説明会を実施した。

同国は既にドルとユーロ建て債券市場で実績を確立し、最近では国際債券市場で初の自国通貨CFAフラン建てユーロ債を発行している。今回、世界3位の金融資本市場円建て債券市場へのアクセスに成功したことは、日本の投資家によるコートジボワール政府の信用力に対する評価の表われとしている。

国際協力銀行(JBIC)は今回、コートジボワール政府発行の同債券に対する信用保証を通じて、東京市場での債券発行を支援している。JBICによると、同債券の発行には、アレンジャーとしてSMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、債券の管理者として三井住友銀行が参画している。また、国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則(GBP)やソーシャルボンド原則(SBP)などに準拠して政府が策定したコートジボワール・サステナブルボンド・フレームワーク(Côte d’Ivoire Sustainable Bond Framework)に基づいているという。

JBICは2025年5月、コートジボワール政府との間で、地球環境保全プロジェクトを対象とする融資総額1億5,000万ユーロ(うちJBIC融資分9,000万ユーロ)を限度とするクレジットライン設定の一般協定を締結した。これは、JBICとして初のコートジボワール向け案件となった。

(長屋幸一郎、渡辺久美子)

(コートジボワール、日本)

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