コートジボワール、IMFレビューで2025年GDP成長率6.5%と経済の力強さ強調
(コートジボワール)
アビジャン発
2025年10月16日
コートジボワールのアダマ・クリバリ財務・予算相は9月22日、IMFの拡大クレジットファシリティー(Extended Credit Facility:ECF、注1)・拡大信用供与(Extended Fund Facility:EFF、注2)、強靭(きょうじん)性・持続可能性ファシリティー(Resilience and Sustainability Facility:RSF、注3)のレビューミッションで、2025年6月末時点の経済実績について、引き続き高い強靭性を示していると強調した。
クリバリ財務・予算相は「国家開発計画(PND)2021-2025」の着実な実施により、2025年のGDP成長率が2024年の6.0%を上回る6.5%となり、インフレ率は2024年の3.5%から1.8%へ大幅に低下するとの予測を述べた。財政赤字はGDP比3.0%(2024年4.0%)、経常赤字もGDP比1.2%(2023年8.1%)に改善する見通しだという。
2026~2030年のGDP成長率は、PNDの好影響と「コートジボワール戦略計画(PSCI)2030」の実施により、6.7%、財政赤字は、西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)目標のGDP比3.0%以内で安定し、インフレ率も3.0%未満に抑制されるとの見解を示した。また、同国沖のバレン油田フェーズ3の生産開始を機に、経常収支が黒字化し、過剰債務リスクは中程度になる見通しだとした。
IMFは9月30日、今回のレビューミッションの結果について、マクロ経済の不均衡の解消や、上位中所得国入りに向けた経済変革、気候変動への対応強化など、主要な経済目標に向けて大きな進捗があったと評価し、コートジボワール政府と事務レベルで合意に達したと発表した。2025年のGDP成長率は、サービス業、石油・天然ガスなどの炭化水素部門、鉱業の貢献により、底堅く6.3%と予測した。経常赤字は、国際カカオ価格の上昇や、米や小麦など主要食料品の国際輸入価格低下などにより、GDP比1.5%に縮小すると見通した。また、財政再建と国際金融市場へのアクセス拡大に向けた取り組みと力強い貿易実績が地域の安定に重要な役割を果たしていると評価した。IMF理事会による承認後、EFF/ECFに基づく約5億950万ドルと、RSFに基づく3億3,440万ドルの合計約8億4,390万ドルがコートジボワールに融資される予定だ。
(注1)ECFは、国際収支上の問題が長期化している低所得国を対象に、中期の金融支援を提供するプログラム。
(注2)EFFは、国際収支に問題を抱え、抜本的な経済改革を必要とする国に対する金融支援を行うプログラム。
(注3)RSFは、気候変動とパンデミックへの備えに関連するリスクなど、将来の国際収支の安定性に対するリスクを軽減するための改革を実施する国に対する低コストの長期融資を提供するプログラム。
(長屋幸一郎、橘欣子)
(コートジボワール)
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