アフリカ初、CFAフラン建て国債を国際市場で発行
(コートジボワール)
アビジャン発
2025年04月11日
コートジボワール政府は3月26日、国際債券市場でアフリカ初のCFAフラン建て国債を発行した。発行額は総額2,200億CFAフラン(約3億3,539万ユーロ、1ユーロ=655.957CFAフラン)にのぼり、期間3年、利率6.875%で、CFAフランと固定レートでペッグする欧州通貨ユーロで返済されることから、借り手にとって為替リスクが軽減されている。
国債の最低購入金額は655万CFAフラン(約1万ユーロ)で、通常のユーロ債の最低購入金額である10万~20万ドルを大幅に下回っており、コートジボワール債券に対する需要が持続する中で、債券購入者層の拡大を可能にした(「エコフィン・エージェンシー」3月27日付報道)。同国の国債は、国際市場において非常に好意的な反応を得ており、政府はコートジボワールに対する信用度の高まりを示していると評価した。
2025年中に5兆6,350億CFAフランの債務償還期限を迎えるコートジボワール政府は、10月に大統領選挙を控え、債券市場での動きを活発化させている。今回の起債の前日には、17億5,000万ドルのドル建て(ドル―ユーロの為替ヘッジ裏付け)ユーロ債を発行した。さらに、債務返済リスクの低減と債務レベルの維持を目的とした積極的債務管理オペレーションの一環として、7億ドル規模の借り換えを行った。
また、エコフィン・エージェンシー報道によれば、コートジボワール政府は、西アフリカ経済同盟(UEMOA)地域市場においても、2025年1月以降に1兆5,000億CFAフランを超える資金を調達したほか、4,500億CFAフラン規模の借り換え債を発行している。この国債借り換えには、利率が多少低いにもかかわらず、目標額(4,000億CFAフラン)を上回る応募があった。政府は2025年第2四半期にも、同地域市場で1兆1,000億CFAフランを調達することを計画している。
IMFは2024年12月、経済改革プログラムに関するレビューおよび第4条協議(注)を実施し、コートジボワールの債務不履行リスクは中程度で、流動比率の改善や政府による積極的な債務管理により債務状況が改善していると評価した。債務のGDP比は2024年の59.3%に対して、2025年56.0%、2026年54.3%に縮小すると予測している。また、格付け会社のムーディーズとS&Pは2024年、コートジボワールの格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げていた(2024年6月3日記事参照)。
(注)IMF協定第4条の規定に基づき、IMFの代表団が協議相手国を訪問し、経済・金融情報を収集するとともに、経済状況や政策について政府当局と協議するもの。
(渡辺久美子、橘欣子)
(コートジボワール)
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