エジプトでガザ和平会議開催、トランプ米大統領ら20カ国超の代表が停戦合意支持を表明
(エジプト、イスラエル、パレスチナ、米国、中東)
カイロ発
2025年10月15日
エジプトのシャルム・エル・シェイクで10月13日、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘終結に向けた国際首脳会議が開催された(2025年10月14日記事参照)。翌14日付エジプト国家情報サービス(SIS)によると、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領、米国のドナルド・トランプ大統領、パレスチナ自治政府(PA)のマフムード・アッバース議長のほか、仲介に尽力したトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領、カタールのタミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長ら20カ国・地域を超える代表や、国連のアントニオ・グテーレス事務総長、アラブ連盟のアフメド・アブルゲイト事務総長、欧州理事会(EU首脳会議)のアントニオ・コスタ常任議長らが出席した。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は同国の宗教祝祭日のため欠席したという。
エジプト大統領府が発表した声明によると、10月9日に合意された和平案(2025年10月9日記事参照)を全面的に支持する共同文書が署名された。また、戦闘の完全な停止や、人質と捕虜の交換(2025年10月14日記事参照)、イスラエル軍のガザ地区からの撤退、ガザ地区への人道支援といった合意内容の継続的な履行に向けて、国際社会の協力が不可欠なことが確認された。今後に向けては、トランプ大統領の和平案(2025年9月30日記事参照)の今後の段階、具体的には、統治と安全保障に関する問題、ガザ地区の再建と復興、最終的な紛争の政治的解決に向けて、実施手段と体制に関する協議が開始された。
トランプ大統領は共同文書の署名について「包括的な合意に至った」とし、和平合意の履行についても「非常に順調」と述べたと報じられた〔10月14日国家情報サービス(SIS)〕。トランプ大統領と共同議長を務めたエルシーシ大統領は会議でのスピーチで、「和平に向けたトランプ大統領の指導力と貢献を称賛するとともに、戦争終結後のガザ地区の復興支援に向けて、米国と協調して『復興・開発会議』を開催する用意がある」とした。また、「自己決定権、安全保障、国家の独立といったパレスチナ人の権利を支持し、1967年に画定された国境に基づく『二国家解決』を推進する」というエジプトの立場を表明した。
イスラエルとハマスの衝突の詳細については、ジェトロの特集を参照。
(塩川裕子)
(エジプト、イスラエル、パレスチナ、米国、中東)
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