イスラエルとハマス、ガザ和平案の第1段階で合意
(イスラエル、パレスチナ、米国、エジプト、カタール、トルコ)
テルアビブ発
2025年10月09日
イスラエルとイスラム組織ハマスは10月9日、パレスチナ自治区ガザ地区における戦闘の終結に向けた和平案の第1段階に合意した。この合意は、米国のドナルド・トランプ大統領が9月29日に発表した「20項目のガザ和平案」(2025年9月30日記事参照)に基づくもので、即時停戦、人質解放、囚人解放、支援物資の搬入などを含む包括的な枠組みとなっている。
米国のドナルド・トランプ大統領は10月9日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「イスラエルとハマスがわれわれの和平計画の第1段階に合意したことを大変誇りに思う。これにより、全ての人質が間もなく解放され、イスラエルは合意された境界線まで軍を撤退させる。これは強固で永続的な平和に向けた第一歩だ」と投稿した。
第1段階の合意に対するトランプ大統領のトゥルース・ソーシャルでのコメント画面
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は同日、自身のX(旧Twitter)で、「計画の第1段階が承認されたことで、われわれの全ての人質が帰還する。イスラエルにとってこれは外交的成功であり、国家的かつ道義的勝利である」と投稿した。
第1段階の合意に対するネタニヤフ首相のX(旧Twitter)でのコメント画面
ハマスはテレグラムで、エジプトのシャルム・エル・シェイクにおいて「責任ある真剣な交渉」を行った結果、ハマスはガザでの戦闘の終結、イスラエル軍の撤退、支援物資の搬入、人質交換に関する合意に達したと発表した。ハマスは声明で、「われわれは、カタール、エジプト、トルコの仲介努力を高く評価するとともに、戦闘の完全な終結と占領軍の撤退に向けたトランプ大統領の努力を称賛する」と述べた。
カタール外務省の報道官はXで、「仲介者は、ガザ和平案第1段階の全条項および実施メカニズムについて合意に達したと発表した。これにより戦闘終結、イスラエル人の人質およびパレスチナ人囚人の解放、支援物資の搬入が実現するだろう。詳細は後日発表される」と投稿した。
第1段階の合意に対するカタール外務省のX(旧Twitter)でのコメント画面
トランプ大統領が発表した「20項目のガザ和平案」によれば、イスラエルとハマスの双方が合意した後、戦闘は即時終結し、イスラエルの全人質が返還され、イスラエルは終身刑囚250人と拘束されたガザ住民 1,700人を釈放し、ガザ地区への全面的な支援物資が直ちに送られることになっている。
人質広場で合意を歓迎するイスラエル市民(ジェトロ撮影)
イスラエルとハマスの衝突の詳細については、ジェトロの特集を参照。
(中溝丘)
(イスラエル、パレスチナ、米国、エジプト、カタール、トルコ)
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