広州市の「市場主体」総数が400万件超に
(中国)
広州発
2025年08月28日
中国・広州市の市場監督管理局は8月15日、広州市の「市場主体」(注1)の総数が400万件を突破し、全国3位となったことを受け、人工知能(AI)による営業許可証発行の成果を報告するイベントを開催した。会場では400万件目の市場主体に対して、AI営業許可証が発行された。2025年1月から7月にかけての広州市の新規登録市場主体は54万8,400件で、前年同期比57.3%増の大幅な伸びを示した。
広州市の市場監督管理局によると、同市の「市場主体」は次の3つの特徴がある。
(1)構造の持続的な最適化。市場主体のうち、企業数は260万社を超えて全体の65%を占め、上海市と北京市に次いで全国主要都市の中で3位だった。個人経営者は「名特優新」(注2)の方向にモデルチェンジして、さらに精緻な発展を遂げている。
(2)外資の継続的な流入。外資企業は前年同期比15%増と安定して成長しており、米国、日本、韓国および香港・マカオからの資本の流入が加速している。
(3)新興分野の市場主体の発展。生物医薬と健康産業の市場主体は50万3,500件(前年同期比10.1%増)、スマート機器とロボット産業は39万2,700件(15.3%増)、ソフトウエアとインターネット産業は34万3,600件(16.4%増)に達した。低空経済および航空宇宙産業、AI産業の新規登録市場主体の伸び率はそれぞれ前年同期比で2.6倍、89.8%増に達した。未来産業における量子ネットワーク産業、深海・深宇宙産業の新規登録市場主体の伸び率はそれぞれ2.8倍、2.4倍に達した。
曁南大学経済学院の劉金山教授は、企業が広州市への進出を選択したことは、本質的に資金と資源が広州市に投じた「信頼票」だと述べた。同氏によると、広州市が「グローバル化による知見の融和がグローバル化による資金調達を促進する」を実現できているのは、その良質なビジネス環境によるもので、これは政府と市場との関係を適切に処理する能力が広州市に備わっていることを示している。「有能な政府」と「効率的な市場」が良好に相互作用する体制・メカニズムに優位性があることは、同市が世界中の資源を持続的に誘致するための核心的な支えにもなっている(「広州日報」8月16日)。
(注1)中国国内で営利を目的とした経営を行う自然人、法人、非法人組織の総称。
(注2)名特優新とは、有名、特色、良質、新興の略語で、個人経営者の中でも特に優れた発展を遂げ、経営に特色があり、先導的で示範的な役割を果たす代表であること。
(梁梓園)
(中国)
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