経済産業省、TICAD9の成果と取り組みを発表、協力署名文書は計324件
(アフリカ、日本、ケニア、ガーナ、コートジボワール、エジプト)
調査部中東アフリカ課
2025年08月25日
日本政府と国連などは8月20~22日、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)を横浜市で開催した。経済産業省は22日、TICAD9における同省の成果と取り組みを発表した。
TICAD9に合わせて確認した協力・協業に関する署名文書件数(各企業・団体・政府が登録した件数)は、前回TICAD8の92件を大きく上回り、過去最大の324件だった。テーマとしては、インド洋・アフリカ経済圏イニシアチブや人工知能(AI)・データサイエンスの人材育成とアフリカの経済成長イニシアチブ関連、エネルギー・鉱物資源、宇宙、ヘルスケア、コンテンツ、インフラなどの幅広い分野だった(2025年8月22日記事参照)。
国別では、ケニア、ガーナ、セネガル、コートジボワール、タンザニア、アンゴラ、ウガンダ、エジプトなどの省庁・企業との案件が多い。
経済産業省は、ケニアの人材育成に関する案件と、コートジボワールとの投資環境・経済関係強化に関する案件を披露した。
TICAD9に関する署名披露式(ジェトロ撮影)
各社・団体の案件数をみると、豊田通商はアフリカ諸国の政府や企業、国連機関などと、前回TICAD8の25件を上回る44件の覚書(MOU)などを締結したと発表した。2022年設立のアフリカ進出コンサルティング企業「アクセルアフリカ
」は人材育成プログラム「ABEイニシアチブ
」の卒業生などのネットワーク「KAKEHASHI」の各国支部との協力など22件を登録した。JTのグループ企業JTI(関連基金を含む)は16件の協力を登録した。そのほか、署名登録件数が多かったのは、15件のTOKYO8GLOBAL
、ダイビック
、12件のDarajapan
、11件のヤンマーアグリなどだ。国際協力銀行(JBIC)、日本貿易保険(NEXI)、国際協力機構(JICA)など政府系企業・団体も多かった。
日本企業と署名相手、案件名などは経済産業省「TICAD9での署名文書一覧」を参照。
上記に登録された案件以外でも、アフリカ開発銀行が伊藤忠商事との覚書(2025年8月22日記事参照)、日本の環境省との覚書、JICAとの覚書
などを締結した。
さらに、経済産業省はTICAD9の機会も契機に、(1)日本アフリカ産業共創イニシアチブやAI・データサイエンスの人材育成とアフリカの経済成長イニシアチブ、(2)インド洋・アフリカ経済圏イニシアチブ(2025年8月22日記事参照)、(3)NEXIと国際開発金融機関の連携などによるファイナンス支援での官民連携の強化などを通じて、アフリカの社会課題、資源開発、グリーントランスフォーメーション(GX)/デジタルトランスフォーメーション(DX)などに応じた日本のビジネス展開を推進するとした。
また、経済産業省がジェトロと協力して開催したビジネスイベント「TICAD Business Expo& Conference(TBEC)」には過去最多の194社・団体が出展した(2025年8月20日記事参照)。
(井澤壌士)
(アフリカ、日本、ケニア、ガーナ、コートジボワール、エジプト)
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