TICAD9にあわせて300件を超える覚書が締結、披露式で64件を紹介
(アフリカ、日本)
調査部中東アフリカ課
2025年08月22日
国連などと共同で、日本政府が主導している第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が、8月20~22日に横浜で開催された。あわせて、開催されたジェトロ主催の「TICAD Business Expo & Conference(TBEC)」にも、日・アフリカ各国から政府や企業関係者が参加した(2025年8月20日記事参照)。
TBEC出展社数が約200社で過去最多となり、覚書(MOU)の締結数も過去最多になった。TICAD9会期中に300件を超えるMOUが締結されており、これは前回のTICAD8にタイミングを合わせて締結された92件から大幅に増加している(「総論:2025年8月にTICAD9開催、これまでのTICADを振り返る」参照)。
8月21日にTBEC会場において開催されたMOU披露式では64件が紹介された。披露式には、石破茂首相、アンゴラのジョアン・ロウレンソ大統領、ガーナのジョン・マハマ大統領、ケニアのウィリアム・ルト大統領、コートジボワールのロベール・ブグレ・マンベ首相らが参加した。
インフラ分野案件の記念撮影(ジェトロ撮影)
ものづくり分野案件の記念撮影(ジェトロ撮影)
GX・エネルギー・鉱物資源分野案件の記念撮影(ジェトロ撮影)
主に次の13分野での協力案件に分類される。
- 日本政府案件
- GX・エネルギー・鉱物資源(政府系金融機関)
- ビジネス促進・人材育成
- AI/データサイエンスの人材育成とアフリカの経済成長イニシアチブ
- インド洋・アフリカ経済圏イニシアチブ
- GX・エネルギー・鉱物資源(民間企業)
- 宇宙
- 医療・ヘルスケア
- 教育
- コンテンツ
- ものづくり
- 農業・漁業
- インフラ
これまでにプレスリリースされているアフリカと日本の協力案件の具体例は次のとおり。
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商船三井:トレードワルツ、スズキとインド・アフリカ間の自動車商流での協業
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豊田通商:セネガル政府、セネガル日本職業訓練センター、国際協力機構(JICA)、ダイキン工業、日本電気(NEC)、戸田建設、ヤマハ発動機とセネガルでの産業人材育成支援
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NEC:国際農業開発基金(IFAD)とアフリカの農業振興と農村開発に向けたパートナーシップ
、国連世界食糧計画(WFP)とアフリカ開発における連携強化
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三井化学:ナイジェリアの最大手財閥ダンゴテおよび日系コンサルティング会社AAICと包括的連携
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クボタ:三井住友銀行とのアフリカにおける食糧問題の解決に向けた農業機械販売に関するファイナンス
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三井住友銀行:ケニアのフィンテックM-KOPAとの業務提携
、タンザニアの大手商業銀行CRDB Bankとの業務提携
、ナイジェリア大手商業銀行Access Bank
との業務提携を発表
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国際協力銀行(JBIC):アンゴラ財務省と日本企業のビジネス機会創出
、西アフリカ開発銀行(BOAD)と地球環境保全
、アフリカ金融公社(Africa Finance Corporation)と環境保全関連
、三井物産が出資するモーリシャスのETC Groupと液化石油ガス(LPG)事業
への融資などの覚書
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経済産業省:コートジボワール商業産業省との経済・投資関係などを強化
- ジェトロ:アフリカ最大手・エチオピア航空と戦略的物流ハブ構想で協力
(井澤壌士)
(アフリカ、日本)
ビジネス短信 7a88e12f05ddbb94