日本とアフリカの「共創」目指し、TICAD Business Expo & Conferenceが横浜で開会

(アフリカ、日本)

調査部中東アフリカ課

2025年08月20日

日本政府が主導する第9回アフリカ開発会議(TICAD9、注1)が、82022日の日程で横浜市で始まった。TICADのテーマ別イベントのジェトロ主催・アフリカビジネス協議会(JBCA、注2)共催の「TICAD Business ExpoConferenceTBEC)」では、20日午前に会場のパシフィコ横浜で開会式が開催された。アフリカ側からはアフリカ連合(AU)の議長国を務めるアンゴラのジョアン・ロウレンソ大統領らが出席した。日本側からはジェトロの石黒憲彦理事長や、大串正樹経済産業副大臣、藤井比早之外務副大臣、経済団体の代表者らが出席した。

石黒理事長は主催者あいさつで今回のTBECについて、TICADのビジネスイベントとして過去最大規模だとした。出展企業の技術はアフリカが抱える社会課題解決に貢献することができると述べ、「われわれはアフリカとともにある未来を見据えている」とのメッセージを送った。

来賓あいさつで登壇したロウレンソ大統領は、このイベントで日本とアフリカのさまざまな可能性が披露されるだろうと期待を示した。また、アフリカ市場は成長を続けており、アフリカへの外国直接投資は増加したものの、他国と比較すると日本からの投資はまだ少ないとも指摘し、日本から投資を受け入れ、アフリカから日本へ還元できるようになりたいとして、アフリカへの投資を呼びかけた。

大串経済産業副大臣は日・アフリカがともにつくる「共創」に向けて、実際のビジネス案件組成に向けた新たな連携や、具体的な商談が活発に行われることを期待したいと述べた。藤井外務副大臣は「日・アフリカの経済関係が新たなステージに入ったことを確信している」とし、TBECがそのフラッグシップになる予感がしていると締めくくった。

TBECは「Japan Fair」「Africa Lounge」「イベントステージ」「テーマ展示」の4つのゾーンで構成する統合的なビジネスイベントだ。「Japan Fair」には、日本の中小企業106社を含み、過去最多の195社・団体の日本企業が参加している。出展者やイベントステージなど詳細情報や来場登録はウェブサイト(TICAD Business Expo & Conference)参照。82022日の日程でパシフィコ横浜展示ホールBCで開催される。

写真 あいさつするジェトロの石黒理事長(ジェトロ撮影)

あいさつするジェトロの石黒理事長(ジェトロ撮影)

写真 あいさつするロウレンソ大統領(ジェトロ撮影)

あいさつするロウレンソ大統領(ジェトロ撮影)

写真 テープカットの様子(ジェトロ撮影)

テープカットの様子(ジェトロ撮影)

(注1)アフリカ開発をテーマとする国際会議。日本政府、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行、アフリカ連合委員会の共催で、3年に1度開催する。1993年の第1回会議以降、2013年の第5回会議までは5年に1回の開催、2016年に初めてアフリカ(ケニア・ナイロビ)で行われた第6回会議からは3年に1度の開催となった。TICAD9のテーマは「革新的な課題解決策の共創」。

(注2)アフリカビジネス協議会は、TICAD7官民円卓会議第3回会合(2019年3月18日)で採択された「TICAD7官民円卓会議 民間からの提言書」を受けて立ち上げられた会議体。日・アフリカ間の貿易・投資、ビジネス関係の促進を目的に、日本企業、国内関係省庁、政府関係機関による日・アフリカ官民連携に関する政策対話を行う。

(坂根咲花)

(アフリカ、日本)

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