中国、米中共同声明に基づき米国向け追加関税や対抗措置の一部停止を90日間延長
(中国、米国)
武漢発
2025年08月13日
中国商務部は8月12日、スウェーデン・ストックホルムで実施された米中経済貿易協議(2025年7月30日記事参照)の共同声明を発表した。本声明により、スイス・ジュネーブにおける米中経済貿易ハイレベル会合の共同声明(2025年5月13日記事参照)で発表された中国による米国産品への追加関税や米国向けの一部対抗措置の停止について、さらに90日間延長されることになった。
本声明によると、中国側は同日から、関税税則委員会公告2025年第4号で定めた米国産品に対する追加関税34%(2025年4月7日記事参照)のうち24%をさらに90日間停止し、残りの10%の関税は適用を継続するとした。また、ジュネーブでの共同声明に基づき、米国に対する非関税対抗措置を一次停止もしくは撤廃する上で必要な措置を実施または維持するとした。なお、本声明によれば、米国側も、中国(香港およびマカオを含む)産品に対して同様の条件で追加関税を停止するとした(米国側措置の詳細は2025年8月12日記事参照)。
本声明に関連して、国務院関税税則委員会は同日、「米国原産品に対する追加関税措置に係る調整の公告」を公布した。同委員会は、同公告は中国と米国両国の発展目標の実現、および世界経済の発展とその安定促進に資するとしている。
共同声明の発表を受け、米国企業への一部制限措置緩和についても延長を決定
共同声明の発表を受け、商務部は8月12日、4月9日と4月11日に発表した「信頼できないエンティティー・リスト」への米国企業計17社の掲載(掲載企業は2025年4月9日、4月11日記事参照)について、5月14日に発表・実施した停止措置(2025年5月15日記事参照)の90日間の延長を発表した。中国国内企業が上記の企業と取引をする場合は、許可申請を行い、「信頼できないエンティティー・リスト」業務機関が法に基づいて審査を行い、条件を満たすものは承認するとしている。
また、商務部は、同じく4月9日と4月11日に発表した「輸出管理コントロールリスト」への米国企業計28社の掲載(掲載企業は2025年4月9日、11日記事参照)についても、5月14日に発表・実施した停止措置を90日間延長するとした。輸出者が上記の企業に両用品目を輸出する必要がある場合、「両用品目輸出管理条例」に基づいて商務部に申請を行い、商務部は法規に基づいて審査を行い、条件を満たすものは承認するとしている。
(西島和希)
(中国、米国)
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