中国自動車市場、韓国メーカーのシェアは1%未満が常態化するも、水素に注力

(中国)

武漢発

2025年07月28日

中国の乗用車市場信息聯席会(CPCA)は7月17日、2025年6月の中国乗用車市場に関する分析報告(以下、報告)を発表した。同報告では、乗用車の販売台数は前年同月比18.2%増の208万5,119台だった(注1)。また報告では、各国メーカーの販売台数も発表されている。中国系自動車メーカーの販売台数は29.6%増の133万8,742台と大幅に伸ばしている。このほか、ドイツ系は2.7%増の33万6,920台、米国系は7.6%増の12万27台、韓国系は6.5%増の2万46台と販売台数を前年同月比で増加させた。一方、日系は0.4%減の25万812台と販売台数が減少した。

2025年6月の乗用車市場における国別のシェアでは、中国系メーカーが64.2%、ドイツ系が16.2%、日系が12.0%、米国系が5.8%、韓国系が0.96%、フランス系が0.2%、その他欧州系が0.7%だった。韓国系は、6月の販売台数は前年同月比で増加したが、シェアは2024年7月以降1%を下回る状況が続いている(添付資料表参照)。

韓国自動車メーカーの現代自動車、起亜などは、2025年4月に上海市で開催された上海モーターショーに出展しなかった。「毎日経済新聞」の4月24日付報道によると、韓国の自動車メーカーが、このような大規模なモーターショーに出展しないのは、2002年に韓国ブランドの自動車が中国市場に参入して以来初めてだった。同報道によると、中国の北京汽車と韓国の現代自動車の合弁自動車メーカーである北京現代汽車の関係者は、「資金は鍵となる分野と顧客に使われる」とした上で、「今のところ出展できるものは特にないので、参加していない」と述べた。

一方で現代自動車は、6月18日から20日にかけて上海市で開催された「国際水素、燃料電池自動車大会・展示会(FCVC)」に出展した。6月18日午前、現代自動車グループの崔斗河高級副総裁はメディアの取材に対し、HTWO広州(注2)の戦略としては、現地化発展路線を堅持し、中国国内の研究機関や企業との協力を強化し、中国の水素エネルギー産業チェーンに深く溶け込んでいく、と述べた。

(注1)CPCAの発表する各国メーカー販売台数はセダン、多目的乗用車(MPV)、スポーツ用多目的車(SUV)を対象とした小売り台数だが、中国自動車工業協会(CAAM)の発表する乗用車販売台数はセダン、MPV、SUVに加え、クロスオーバーSUVも対象とした卸売り台数となるため、販売台数は一致しない(2025年7月18日記事参照)。

(注2)韓国の現代自動車グループが2023年6月1日の広東省広州市に設立した、同社として海外初の水素燃料電池システムの研究開発・生産・販売拠点。

(高橋大輔)

(中国)

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