ラマポーザ・南ア大統領の訪米発表
(南アフリカ共和国、米国)
ヨハネスブルク発
2025年05月20日
南アフリカ共和国大統領府は5月14日、シリル・ラマポーザ大統領が5月19~22日の日程で訪米し、21日にドナルド・トランプ米大統領と首脳会談を行うと発表した。同大統領府によると、両首脳は2国間や世界の重要な議題について協議する予定で、今回の訪米は両国間の戦略的関係を再構築するための基盤づくりになるとしている。
南アは、ロシアも加わるBRICSの一角を占め、ロシアのウクライナ侵攻に関する国連総会非難決議案を棄権し続けてきたことなどから、ここ数年、米国と南アの関係冷え込みが指摘されてきた。特に南アが2023年12月に、パレスチナ自治区ガザ地区での集団殺害の疑いでイスラエルを国際司法裁判所(ICJ)に提訴した件(2024年1月12日記事参照)に対し、米国のバイデン政権(当時)が「集団殺害の根拠がない」と非難するなどし、両国関係は悪化していた。
2025年に入り、トランプ米政権が発足してからは、南アに対する風当たりはさらに強まっている。トランプ大統領は2月、南ア政府が入植者少数民族の子孫に対して露骨な差別を行っているなどとして、南アに対する全ての資金援助を停止する大統領令に署名した。3月にはエブラヒム・ラスール駐米南ア大使(当時)にペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)を発し、国外追放処分としていた(2025年4月18日記事参照)。南アが議長国を務めたG20外相会合や、財務相・中央銀行総裁会議でも、米国は閣僚派遣を見送るなど、両国関係は急速に冷え込んでいる。
(的場真太郎)
(南アフリカ共和国、米国)
ビジネス短信 90d93a7986653700