ガザでの集団殺害の提訴巡り、国際司法裁判所で審理開始

(イスラエル、パレスチナ、南アフリカ共和国、オランダ、米国)

テルアビブ発

2024年01月12日

オランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)は1月11日、南アフリカ共和国が集団殺害の疑いでイスラエルをICJに提訴した件を巡り、審理を開始した。

南アは12月29日、パレスチナ自治区ガザ地区のパレスチナ人に対する集団殺害罪の防止と処罰に関する条約(ジェノサイド条約)の下での、イスラエルによる義務違反の疑いに関して、ICJに対しイスラエルに対する訴訟手続きを開始PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)していた。

訴状外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、南アは「ガザのパレスチナ人に関するイスラエルの行為は、ジェノサイド条約に基づく義務に違反している」と主張し、この件に関するICJの管轄権の認定を求めるとともに、「ジェノサイド条約に基づくパレスチナ人の権利に対するさらなる深刻かつ回復不能な被害から保護する」ために、ICJに暫定措置を指示するよう求めている。

ICJPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、11日は南アによる口頭弁論が行われ、国連ニュース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、南アの弁護団はガザでのイスラエルの戦闘行為について「ジェノサイドのパターンを示してきた」と主張し、「この殺害は、パレスチナ人の生活を破壊することにほかならない」と訴えた。

翌12日にはイスラエルによる口頭弁論が行われる。イスラエル首相府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは10日、「ハマスの虐殺10月7日」というサイトを開設したことを明らかにした。

イスラエルのアイザック・ヘルツォーク大統領は9日、アントニー・ブリンケン米国務長官との会談で、今回の南アの提訴について「この主張ほど非道で、ばかげたものはない」と非難している(2024年1月11日記事参照)。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ、南アフリカ共和国、オランダ、米国)

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