トランプ米大統領、中国への相互関税率を84%に引き上げ
(米国、中国)
ニューヨーク発
2025年04月09日
米国税関・国境警備局(CBP)は4月8日、中国に対する相互関税率を34%から84%へ引き上げるガイダンスを発表
した。ドナルド・トランプ大統領が同日、大統領令で関税率の引き上げを指示
した。中国原産の多くの品目で、米国輸入時の関税率は130%程度になるとみられる。
トランプ氏は4月2日、全ての国から輸入される実質的に全ての品目に10%の追加関税を課す世界共通関税と、米国の貿易赤字額が大きい国に対してより高い追加関税を課す相互関税を発表した。世界共通関税は米国東部時間4月5日午前0時1分以降、相互関税は同4月9日午前0時1分以降に通関した貨物に対して課される(2025年4月3日記事参照)。中国に対する相互関税も、当初の予定どおり4月9日から課されるため、発動直前での相互関税率引き上げとなった。
これにより、4月9日以降に中国原産品を米国に輸入する際は、相互関税率84%のほか、最恵国(MFN)税率、1974年通商法301条に基づく追加関税率(多くが25%、2024年12月12日記事参照、注1)、フェンタニルの流入阻止を目的とした国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく追加関税率20%(2025年3月4日記事参照)が加わるため、関税率が130%程度になる品目が多数になるとみられる(注2)。なお、輸入する製品がアンチダンピング税(AD)や補助金相殺関税(CVD)の対象の場合は、これら関税も加算される。
中国は米国の相互関税発表直後に、報復措置を取ると表明し(2025年4月4日記事参照)、実際に4月4日に、4月10日午前0時1分から米国原産の全輸入品に34%の追加関税を課すと発表した(2025年4月7日記事参照)。今回の相互関税率の引き上げは、中国の報復措置への対抗措置とされている。
中国から輸入する際の関税率が130%程度という高関税になったことから、米国の対中サプライチェーンは今一度、見直しを迫られることになりそうだ。トランプ政権下の米中サプライチェーンについては、2025年3月19日付地域・分析レポート参照。
(注1)現在、301条に基づき、中国原産品に対しては、米国の関税分類番号(HTSコード)8桁ベースで1万以上の幅広い品目に7.5~100%の追加関税が賦課されている。例えば、電気自動車(EV)に対する追加関税率は100%になっている。
(注2)ただし、1962年通商拡大法232条に基づいて追加関税の対象となっている品目、将来的に232条関税の対象となる可能性のある品目などは相互関税の対象外となっている。
(赤平大寿)
(米国、中国)
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