イタリアワイン業界、「ゼロ対ゼロ」に賛意、米国小売価格増を懸念
(イタリア、米国、EU)
ミラノ発
2025年04月17日
米国のドナルド・トランプ大統領が4月9日、中国を除く多数の国に対する関税措置適用の90日間停止を発表したこと(2025年4月10日記事参照)に対し、日本の経団連に相当するイタリア産業連盟(コンフィンドゥストリア)の下部組織のイタリアワイン産業連盟(フェデルビーニ、注1)は歓迎する声明を翌10日に発表した。ただし、根本的な解決には至っていないことや、不確実性を抱えた市場では、10%のベースライン関税もグローバル市場で競争する業界にとって重荷で、長期的な輸出計画を立てることが困難になっていると指摘し、安定した枠組みの合意が不可欠と主張した。
また、2019年から2021年のEUによる航空大手エアバスへの補助金が発端となった米国・EU間の報復関税(2021年1月6日記事参照)を例に挙げ、ワインなどの酒類が高い代償を支払うことになるリスクへの懸念も示した。同連盟のミカエラ・パリーニ会長は4月8日に行われたイタリア政府と産業界の会合で、ジョルジャ・メローニ首相が発言した関税撤廃「ゼロ対ゼロ」(2025年4月11日記事参照)を支持し、「米国とEUがともに損害を回避できる」とした。近日中と報じられているメローニ首相の米国訪問での交渉に対する期待感も示した。
イタリアワイン産業連盟とコンサルタント企業ノミズマの調査によると、イタリアから米国へのワイン輸出額は年間約20億ユーロで、輸出先の内訳では米国が24%を占めている。DOP(原産地呼称保護)製品が多いのが特徴で、米国関税措置により20%関税が導入されると、米国輸入価格は、ベネト州産のプロセッコ(注2)では1リットル当たり0.90ユーロ増、ピエモンテ州産の赤ワインでは1リットル当たり最大2.60ユーロ増、トスカーナ州産の赤ワインでは1リットル当たり2.40ユーロ増と試算している。米国小売価格は平均して4倍になると推測されており、南米やオーストラリア産のワインとの競争力低下が不安視されている。
(注1)フェデルビーニ(Federvini):イタリア産のワイン、蒸留酒、リキュールなどに関する生産・輸出・輸入業者連盟
(注2)プロセッコ(Prosecco):イタリア・ベネト州で作られる白のスパークリングワイン
(平川容子)
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