米中貿易で中国がより利益を得ていると46%が回答、シンクタンク調査

(米国、中国、カナダ、メキシコ)

調査部米州課

2025年04月10日

米国のトランプ政権はさまざまな関税措置を発動しており、その先駆けとして、中国、カナダ、メキシコへの追加関税を適用している(2025年3月4日記事3月4日別記事参照)。中国に対しては政権発足以降、合計して104%の追加関税を課すに至っている(2025年4月9日記事参照)。最近の世論調査では、米中貿易で中国が米国より利益を得ているという認識を46%が持っていることがわかった。

米国シンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは4月8日、米国と中国、カナダ、メキシコとの貿易の認識に関する世論調査結果(注)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによれば、米中貿易で中国がより利益を得ているとの回答が46%と、米メキシコ貿易におけるメキシコ(29%)、米カナダ貿易におけるカナダ(26%)と比べても高い割合だった。

支持政党別では、共和党支持者は、カナダがより利益を得ているとする割合が、2023年の20%から今回の46%に大幅に高まったことがわかった。民主党支持者は9%(2023年)から今回の8%とほとんど変化がなかった。

各国との貿易で双方が同じように利益を得ているとする割合は、米中貿易では25%と最も低かった。米カナダ貿易が44%、米メキシコ貿易は34%だった。

一方、各国との貿易で米国がより利益を得ているとする割合は、米メキシコ貿易で16%、米カナダ貿易と米中貿易はともに10%だった。

米国商務省センサス局によれば、2024年には、中国・カナダ・メキシコが米国の総輸入額に占める割合は36.5%、総輸出額では32.1%となる。2024年の米国の貿易赤字額(財・サービス)の上位2カ国は中国とメキシコだ。米国の対中貿易赤字は2,633億ドルで、対メキシコ貿易赤字は1,790億ドルだった。米国の対カナダ貿易赤字は357億ドルで、他の主要貿易相手国と比べるとはるかに小さい。

各国は、米国への対抗措置として報復関税などを発動またはその可能性を示唆している(中国:2025年4月7日記事参照、カナダ:2025年3月14日記事参照、メキシコ:2025年3月5日記事参照2025年3月31日記事参照)。

(注)実施時期は2025年3月24~30日。対象者は、全米の成人3,605人。トランプ氏の相互関税発表(2025年4月3日記事参照)前に実施された。

(松岡智恵子)

(米国、中国、カナダ、メキシコ)

ビジネス短信 017197a4fe782a4a