総選挙後の政治状況の混乱見られず、日本企業の出張も増加

(バングラデシュ)

ダッカ発

2024年02月01日

バングラデシュでは、1月7日の総選挙実施後(2024年1月9日記事参照)、想定された野党によるゼネストや交通封鎖などによる混乱は見られず、平穏な状況が続いている。

11日に新内閣が発足し、シェイク・ハシナ首相は政権運営の閣僚配置を迅速化させている。新内閣では、投資・ビジネス分野で強い影響力を有するサルマン・フォズルル・ラーマン民間・投資担当アドバイザーをはじめ、工業相、道路・橋梁(きょうりょう)相、電力・エネルギー担当国務相、情報通信技術(ICT)担当国務相などは留任したが、多くの大臣、国務相ポストは交代しった(2024年1月31日記事参照)。現地進出日系企業でも、選挙前後の混乱を警戒する声もあったが、与党の対応が早く、現在まで政治状況の混乱は見られていない。他方、政治的な動きとは別に、輸出志向型の縫製工場などで賃上げを求める労働者ストライキなどが発生しているという事例がローカル工場、外資系工場の双方にあったものの、現在は収束の方向にある。これらの状況を受け、日本企業によるバングラデシュへの出張は順次再開しており、ジェトロへの貿易・投資に関する問い合わせや訪問者数も増加している。

総選挙での与党勝利によって安定した政権基盤を確立したため、今後、政権与党に対しては中長期的視野に立った経済政策や金融政策の実施を通じて(2024年1月23日記事参照)、インフレ対策(2024年1月25日記事参照)、外貨準備高増加などのマクロ経済の安定が求められている。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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