12月のインフレ率は前年同月比9.41%とわずかに低下、2023年平均は9.48%

(バングラデシュ)

調査部アジア大洋州課

2024年01月25日

バングラデシュ統計局(BBS)は、2023年12月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)は前年同月比で9.41%PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)と発表した。非食料品セクターの価格が高止まりし、消費者の購買力を圧迫していることを背景に、上昇率は11月の9.49%からわずかに低下したものの、2023年3月以降、10カ月連続で9%台を超えている。なお、バングラデシュ中央銀行は2023/2024年度(2023年7月~2024年6月)のインフレ率目標を7.5%に定めているところ(注1)、2023年1~12月の年間平均は9.48%だった(添付資料図参照)。

インフレ率は、前年同月比で都市部と農村部いずれも9%台だが、農村部は9.49%(前月比0.13ポイント減)に達し、都市部(9.15%)よりもやや高い結果となった。

今般の発表によると、食品セクターのインフレ率の上昇幅は11月の10.76%から9.58%に低下したものの、非食品セクターは8.16%から8.52%に上昇した。同セクターでは、レクリエーション・文化(15.59%)、家具・住宅設備・住宅メンテナンス(13.34%)、住宅・水道・電気・ガス・その他燃料(10.58%)の順に上昇がみられた。

中央銀行は1月17日、2023/2024年度下半期(2024年1~6月)の金融政策(Monetary Policy Statement January-Jun 2024)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、インフレ抑制を強化するための政策金利(レポレート)の引き上げを行った。政府は、レポレートを現行の7.75%(2023年11月28日記事参照)から8.0%へ引き上げ、併せて、前年7月から導入している金利コリドーシステム(注2)の上限金利(Standing Lending Facility:SLF)を9.75%から9.5%に引き下げ、下限(Standing Deposit Facility:SDF)は5.75%から6.5%に引き上げた(2024年1月23日記事参照)。

(注1)バングラデシュ中央銀行は117日、20232024年度下半期(202416月)の金融政策の発表に合わせ、消費者物価指数(CPI)上昇率を同6.0%から7.5%に上方修正した。

(注2)同システムでは、商業銀行やノンバンクが中銀から政策金利(8.0%)とSLF(9.5%)の間の金利で資金の借り入れを行い、反対に商業銀行やノンバンクが余剰資金を中銀に貸し出す際には、SDF(6.5%)の利率が適用される。

(寺島かほる)

(バングラデシュ)

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