米エクソン、2022年通期は過去最高益に

(米国)

ヒューストン発

2023年02月01日

米国石油大手エクソンモービル(本社:テキサス州アービング)は1月31日、2022年通期の決算を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、過去最高益を計上した。米国石油大手シェブロンも2022年通期で過去最高益を計上したと1月27日に発表している(2023年1月31日記事参照)。

エクソンの2022年の純利益は557億4,000万ドルで、前年(230億4,000万ドル)から2倍以上に増加した。他方、同社の2022年第4四半期(10~12月)の純利益は127億5,000万ドルで、前年同期(88億7,000万ドル)を上回ったものの、四半期ベースで過去最高益だった2022年第3四半期(7~9月)の196億6,000万ドルには及ばなかった。

同社は、ガイアナと米国パーミアン盆地の2022年の原油・天然ガス生産量が前年比で30%以上増加したとしている。同盆地はテキサス州西部とニューメキシコ州南東部の一部にまたがる広大な地域で、国内有数のシェールオイルとシェールガスの生産地として知られている。

エクソンモービルのダレン・ウッズ会長兼最高経営責任者(CEO)は「当社の業績は明らかに好調な市場の恩恵を受けているが、経済が回復し始め、供給が逼迫する中で、当社が(新型コロナウイルスの)パンデミックの前と最中に行った景気対策投資は、人々が必要とするエネルギーと製品を提供した。他の企業が撤退したとき、当社は手を差し伸べた」と述べた上で、消費者のニーズに対応するための増産を可能にする継続的な投資を行う重要性を強調している。同時に、水素(2023年2月1日記事参照)や二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS、2022年12月1日記事参照)といった低炭素分野で事業機会を拡大するとしている。

なお、ジョー・バイデン米大統領は2022年10月31日、エクソンモービルなどの米大手石油会社が大幅な増収を達成しているにもかかわらず、ガソリン価格を下げるための取り組みをしていないと主張し、石油会社を批判した。これに対し、米国石油協会(API)のマイク・ソマーズ会長兼最高経営責任者(CEO)が同日付で声明を発表し、「ガソリン価格下落を(バイデン大統領)自身の手柄にし、ガソリン価格上昇の責任を石油会社に転嫁している」として反論していた(2022年11月8日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国)

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