ASEAN主要国のインフレは一部ピークアウトも、コアCPI高水準続く

(ASEAN、シンガポール、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ラオス、カンボジア、ミャンマー、ブルネイ)

アジア大洋州課

2023年01月11日

ASEAN主要国のインフレは引き続き高水準で推移しているものの、一部の国でピークアウトしつつある。11月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、タイで前年同月比5.6%となり、8月をピークに低下傾向にある〔添付資料「表 ASEANの消費者物価指数(CPI)上昇率)」、「図1 ASEAN主要6カ国のインフレ率(前年同月比)」参照〕。シンガポール6.7%、インドネシア5.4%、マレーシア4.0%で、いずれも89月をピークにやや低下した。他方、フィリピンでは食品価格上昇で8.0%、ベトナムも燃料価格上昇などにより4.4%と、緩やかに上昇した。

ASEAN主要国のコアCPI(注1)の2022年以降の推移をみると、各国で程度の差はあれ上昇しており、エネルギーや食品などの価格上昇、製品・サービス価格への転嫁や新型コロナウイルス感染収束による経済回復など、あらゆる要素が物価上昇に影響してきたことが見て取れる(添付資料図2参照)。直近発表された2022年第3四半期(79月)の経済成長率はおおむね好調で(注2)、前期比(季節調整済み)で見ても、フィリピン2.9%、マレーシア1.9%、インドネシア1.8%、タイ1.2%、シンガポール1.1%と、いずれもプラスだった(注3)。9月以降のコアCPIはフィリピンとベトナムで大幅に上昇し、その他のASEAN主要国でも35%台の高水準で推移している。長引くインフレと世界経済の減速が経済見通しの不透明感を高めている。各国の中央銀行は断続的に政策金利を引き上げており、経済成長の持続と物価抑制の両立という課題に対して、どのような政策手段を講じるのか、その動向を注視している。

(注1)全体から物価変動が大きい項目を除いた指数で、物価の基調を捉えるための指標として利用される。国によって計算方法が異なる。

(注2)ベトナムは2022年10月11日記事、フィリピンは11月17日記事、マレーシアは11月22日記事、タイは11月25日記事、インドネシアは11月24日記事をそれぞれ参照

(注3)ベトナムは季節調整済値の発表がないため不明。

(山口あづ希)

(ASEAN、シンガポール、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ラオス、カンボジア、ミャンマー、ブルネイ)

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