インドネシアの第3四半期GDP成長率は前年同期比5.72%

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年11月24日

インドネシア中央統計庁(BPS)は117日、2022年第3四半期(79月)のGDP成長率を前年同期比5.72%と発表した。前期の5.45%から加速した。インドネシアのGDP成長率は2021年第4四半期以降5%台を維持している(添付資料図参照)。

支出面では、公的支出を除く全ての項目でプラスとなった。公的支出は2.88%減だったが、マイナス幅は前期から1.98ポイント縮小した。GDP50.38%を占める家計最終消費支出は5.39%増の成長だった。輸出と輸入はそれぞれ21.64%増、22.98%増と2桁の成長で、いずれも前期を上回った。輸出については、インドネシアが石炭、石油、金、ニッケル、パーム油などの生産国であるところ、ロシアのウクライナ侵攻によるコモディティー価格の上昇の影響が大きいとされる(「スアラ」紙1111日)。他方、輸入については、工業製品用原材料の輸入増加が影響を与えているとされている(「ジャカルタ・ポスト」118日)。

業種別では、運輸・倉庫が25.81%増、宿泊施設・飲食が17.83%増、行政・防衛・社会保障が12.42%増、企業サービスが10.79%増の順で成長率が高かった。他方、医療サービス・社会保障は前期の6.49%増から1.74%減へとマイナスに転じた。

地域別では、GDP全体の56.30%を占めているジャワ島が5.76%成長した。また、スラウェシ島が8.24%と最も高い成長率だった。スマトラ島とカリマンタン島は、それぞれ4.71%と5.67%の成長率だった。ジャカルタ首都特別州での成長率は5.94%となり、前期から0.32ポイント上昇した。

BPSのマルゴ・ユオノ長官は「今回の結果は、インドネシアの経済回復が継続し、力強さを増していることを示している。不確実性を増す世界情勢の中で、インドネシアが成し遂げた成果だ。インドネシアは今後より一層経済成長を維持することができる」と述べた(「アンタラ」117日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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