第3四半期のGDP成長率、前年同期比13.67%

(ベトナム)

ハノイ発

2022年10月11日

ベトナム統計総局は9月29日、2022年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(推計値)を前年同期比13.67%と発表した(添付資料表1参照)。順調な経済回復に加え、新型コロナウイルスの深刻な影響を受けた前年同期(マイナス6.02%成長)からの反動で、高い成長率を示した。

第3四半期の業種別の成長率(前年同期比)は、農林水産業3.24%、鉱工業・建設業12.91%、サービス業18.86%だった。農林水産業のうち、農業は2.53%と小幅な伸びにとどまったが、林業と水産業はそれぞれ5.62%、4.89%と成長した。鉱工業・建設業の中では、製造業が13.02%、建設業は16.65%で、特に高水準の伸び率となった。サービス業は、卸売り・小売りが20.98%と伸びた。ホテル・飲食、業務サービスは国内を中心とした需要回復で、それぞれ2.7倍、2.4倍と大幅に伸びた。

統計総局のレ・チユン・ヒエウ副局長は第3四半期の高成長の要因について、前年同期のマイナス6.02%の反動のほか、食料の供給拡大や、製造業と建設業の好況、観光需要の回復が寄与したと分析した。また、ヒエウ副局長は、2022年通年のGDP成長率は7.5~8.0%となる見込みで、政府目標の6.5%を上回るとの見通しを示した。

第3四半期のCPI上昇率は3.32%

第3四半期の消費者物価指数(CPI)上昇率(推計値)は前年同期比3.32%だった(添付資料表2参照)。建材、ガスなどの価格高騰や、観光の揺り戻し需要増加などがCPIを押し上げた。ガソリン価格は前年同期より20%以上上昇しているが、政府による価格調整で6月をピークに値下げしており、影響は限定的になったと統計総局は分析した。

統計総局価格統計局のグエン・トゥ・オアン局長は「輸入原材料の価格高騰やテト(旧正月)前の消費需要増加などで、第4四半期はCPIの上昇が想定される」と予測した。

(グエン・ラン)

(ベトナム)

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