第3四半期GDP成長率は前年同期比4.5%

(タイ)

バンコク発

2022年11月25日

タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は11月21日、2022年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率が前年同期比4.5%PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)と公表した。前期(4~6月)の2.5%からプラス幅が拡大した。季節調整済み前期比についても1.2%となり、前期の0.7%からプラス幅が拡大。また、1~9月の前年同期比は3.1%となった。

実質GDP成長率(前年同期比)を需要項目別でみると、個人消費支出は9.0%増で、前期(7.1%増)から伸びが加速した。主に経済活動の段階的な進展と労働市場の回復が個人消費支出の増大に寄与した。サービス支出は、ホテル・レストラン、娯楽・文化などの支出が増加したため、15.8%増となり、前期(14.1%増)からわずかに上昇した。耐久財支出は自動車購入の増加を要因として18.2%増で、前期(3.5%増)から加速した。非耐久財支出は食料や非アルコール飲料の消費拡大などにより、3.2%増と前期(2.7%増)からわずかに上昇した。半耐久財支出も、備品・家庭用品や衣服・靴などの消費の増加を要因として、3.6%増で前期(1.9%増)から上昇した。

総固定資本形成は5.2%増と、前期の1.0%減からプラスに転じた。民間投資は11.0%増で、前期(2.3%増)から伸びが加速したことが影響した。主な要因は、自動車投資の増加による機械設備投資の増加や、バンコク近郊の建設許可エリア拡大に伴う建設投資の増加だ。公共投資は7.3%減と前期(9.0%減)から引き続き減少した。

財・サービスの輸出は9.5%増と、前期(8.5%増)に引き続き拡大。財の輸出は2.7%増で、集積回路やエアコン、ピックアップトラック、家電製品用部品、機械などで増加した。サービス輸出は外国人旅行者の増加を主な要因として、87.0%増と、顕著に加速した。

NESDCはまた、2022年の実質GDP成長率見通しを3.2%PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)と、2022年8月の見通し(2.7~3.2%)から修正、2023年の見通しを3.0~4.0%と発表した。2023年のタイの経済成長は、(1)観光部門の回復、(2)民間・公共投資の拡大、(3)国内需要の継続的な拡大、(4)農業部門の順調な成長によって支えられるとしている。

(藤田豊)

(タイ)

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