米ニュースケール、小型モジュール式原子炉の標準プラント設計プロジェクト完了

(米国)

ヒューストン発

2022年12月23日

米国の小型モジュール式原子炉(SMR)の技術開発を行うニュースケール・パワーは12月22日、SMRの標準プラント設計(SPD)プロジェクトを完了したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより、ニュースケールが手掛ける「VOYGR SMR発電プラント」(注)の導入が加速されるとしている。

ニュースケールは、SPDの活用により、「VOYGR SMR発電プラント」の汎用(はんよう)設計を顧客に提供したり、顧客の許認可や導入を支援したりすることが可能になるとしている。また、同プラントに関する包括的な3Dモデルの活用により、潜在的な顧客がニュースケールの技術の適合性評価を実施することが可能になるという。

同社のジョン・ホプキンス社長兼最高経営責任者(CEO)は「SPDプロジェクトの完了により、当社は、顧客と国際社会が次世代原子力のメリットを実感できるよう支援することに一歩近づいた。当社の費用で開発したSPDと、当社で製造可能なSMR、そして最近、原子力規制委員会(NRC)が承認した当社の緊急時計画区域の境界手法を活用することで、明らかに競合他社と差別化できている」と述べた。

ニュースケールの最近の動向として、2022年5月にスプリング・バレー・アクイジションと、SMRの商業化の加速に向けて企業結合完了を発表した(2022年5月9日記事参照)。7月にナショナル・テクニカル・システムズと、SMR機器を認証する試験室の開発での提携を発表した(2022年7月29日記事参照)。9月にはハブーシュ・グループと、ニュースケールのSMR商業化を加速させる戦略的提携を締結(2022年9月9日記事参照)したほか、ロイター・ストークスとパラゴン・エナジー・ソリューションズが、同社のSMRに核検知技術を提供することを発表している(2022年9月13日記事参照)。また、10月には、カナダのプロディジーと洋上可搬型小型原発の概念設計を発表した(2022年10月27日記事参照)。

(注)出力合計308メガワット(MW)の「VOYGR-4」、出力合計462MWの「VOYGR-6」、出力合計924MWの「VOYGR-12」からなる3つのモデルがある。

(沖本憲司)

(米国)

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