米ニュースケール、ハブーシュと戦略的提携、小型モジュール式原子炉の商業化加速へ

(米国)

ヒューストン発

2022年09月09日

米国の小型モジュール式原子炉(SMR)の技術開発を行うニュースケール・パワー(本社:オレゴン州ポートランド)は97日、資産運用会社ハブーシュ・グループ(HG、本社:ニューヨーク州ニューヨーク)と、ニュースケールのSMR商業化を加速する戦略的提携を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ニュースケールのプレスリリースによると、提携の狙いは、同社のSMR技術に対する世界的な需要の急増に伴い、大規模資産やプロジェクトへの融資、投資、開発、管理、実行の統合的な能力を提供することにある。

同社は自社の「ニュースケール・パワー・モジュール」について、米国で唯一実現可能で、近い将来配備可能となる先進型のSMR技術だと述べている。また、同技術は安全性や信頼性、拡張性が高く、米国原子力規制委員会から標準設計承認を受けた最初で唯一の技術としている。

同社のジョン・ホプキンス最高経営責任者(CEO)は「当社のSMR技術はクリーンエネルギーへの転換を支援する上で極めて重要だ。この戦略的提携により、当社のSMR技術と世界が必要とするカーボンフリー電力へのアクセスが増加することを期待している」と述べた。また、HGのワディー・ハブーシュCEOは「持続可能で信頼性の高いベースロード発電の必要性から世界のエネルギー需要が高まる中、ニュースケールの技術は世界のエネルギー転換で重要かつ多面的な役割を果たすことができる」とコメントした。

ニュースケールは最近の動向として、52日に特別買収目的会社(SPAC)のスプリング・バレー・アクイジション(本社:テキサス州ダラス)と、SMRの商業化加速に向けて企業結合を完了したと発表した(2022年5月9日記事参照)。728日には原子力や航空宇宙、医療関係などさまざまな機器の試験や検査、認証を行うナショナル・テクニカル・システムズ(本社:カリフォルニア州アナハイム)とSMR機器を認証する試験室の開発で提携したと発表している(2022年7月29記事参照)。

(沖本憲司)

(米国)

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