米内務省、カリフォルニア沖合の洋上風力発電リース権入札成立を発表、総額7億5,710万ドル

(米国、ノルウェー、ドイツ、デンマーク)

ニューヨーク発

2022年12月09日

米国内務省は12月7日、カリフォルニア州沖合での洋上風力発電のリース権入札が総額7億5,710万ドルで成立したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。バイデン政権になってから2度の洋上風力リース権入札が成立しているが(2022年3月2日記事2022年5月16日記事参照)、太平洋地域では今回が初めてとなる。西海岸地域の海域は水域が深いため、これまでと異なる浮体式風力発電技術が必要となることから、今回入札には注目が集まっていた(ブルームバーグ12月7日)。

リース権入札にかけられた地域は、同州北部と中部の沖合にある5つの区域で、総面積37万3,268エーカー(約1,510平方キロ)に及ぶ。生成予定電力量は4.6ギガワット(GW)で、150万世帯以上の電力を賄う量とされる。これまでの2回のリース入札での生成予定電力は約7GWで、今回の生成予定電力を合わせれば、バイデン政権の掲げる洋上風力発電量目標の30GW(2021年3月31日記事参照)の3分の1を超え、目標達成に大きく近づく。

今回入札にかけられた5つの地域の落札企業は、次のとおり。

  • エクイノール・ウィンドUS(Equinor Wind US)/ノルウェー
  • RWEオフショア・ウインド・ホールディングス(RWE Offshore Wind Holdings)/ドイツ
  • カリフォルニア・ノース・フローティング(California North Floating)/デンマーク(コペンハーゲン・インフラストラクチャ・パートナーの子会社)
  • セントラル・カリフォルニア・オフショア・ウィンド(Central California Offshore Wind)/米国
  • インべナジー・カリフォルニア・オフショア(Invenergy California Offshore)/米国

各地域の落札結果は、内務省海洋エネルギー管理規制施行局(BOEM)のウェブサイトから確認が可能だ。外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなお、入札額は1億3,000万~1億7,380万ドルにわたる。

内務省は、さらにメイン湾、中央大西洋沖合、メキシコ湾、オレゴン沖合での洋上風力発電のリース権販売を検討しており、メキシコ湾ではすでにその開発区域が決定されている(2022年11月2日記事参照)。加えて、8月に成立したインフレ削減法では風力タービンなどクリーンエネルギー生産設備投資への税額控除に多額の予算が手当てされており、財政面の支援も充実していることから(2022年10月6日付地域・分析レポート参照)、今後も洋上風力発電開発の動きは加速しそうだ。

(宮野慶太)

(米国、ノルウェー、ドイツ、デンマーク)

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