9月の新築住宅価格が54都市で下落、前月からの変化率は2021年9月以降一貫してマイナス

(中国)

中国北アジア課

2022年11月01日

中国国家統計局は10月24日、中国主要70都市の9月の住宅販売価格指数を発表した。新築住宅(低・中所得者向けの保障性住宅を含まず)販売価格指数は、前月と比べ70都市のうち54都市が下落、1都市が横ばい、15都市が上昇した(注)。下落した都市数は6月に38と、購入マインドに影響を及ぼしたと考えられる新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染対策の上海市都市封鎖が行われた4月(47)、5月(43)から改善したが、その後、局地的な新型コロナ感染拡大がみられたこともあり、7月(40)、8月(50)、9月と状況は依然として厳しい。主要70都市の新築住宅販売価格指数を単純平均し、前月からの変化率を見ても、9月は0.3%下落となっており、その変化率は2021年9月以降一貫してマイナスが続いている(添付資料図参照)。

国家統計局は同日に2022年1~9月の主要経済指標を発表したが(2022年10月25日記事参照)、1~9月の不動産開発投資は前年同期比8.0%減(1~8月は同7.4%減)、全国の住宅販売額は28.6%減(1~8月は30.3%減)と、いずれも減少が継続したことが明らかになった。また、同年第3四半期(7~9月)GDPの不動産業の前年同期比成長率を見ても、全業種内で唯一のマイナス(マイナス4.2%)となった。

こうした情勢も踏まえ、中国人民銀行(中央銀行)は1件目の住宅購入時の住宅積立金貸出金利の引き下げを行うことなど(2022年10月12日記事2022年10月12日記事2022年10月12日記事参照)、対策を打ち出している。10月に開催された中国共産党第20回全国代表大会での習近平総書記の報告(2022年10月24日記事参照)でも、「住宅は住むためのものであり、投機のためのものではない」という従来の見地堅持を訴えつつ、多くの主体による供給、多くの方途による保障、賃貸と購入の両方の奨励を内容とする住宅制度の確立を加速すると主張した。10月24日に中国人民銀行共産党委員会などが開催した第20回党大会などの学習会議では、住宅引き渡しの確保、住民生活の安定維持という任務の推進を強化するとした。引き渡し前に資金不足で販売済みマンションの工事が中断する事例が相次いで発生したことも背景とみられる。共産党と政府の中で、住宅関連対応の優先度が上がっていることがうかがえる。

(注)中古住宅販売価格指数も、前月と比べ70都市のうち61都市が下落、1都市が横ばい、8都市が上昇と、新築住宅販売価格指数同様に下落した都市が大勢を占めた。

(宗金建志)

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