中国、1件目の住宅ローン金利下限撤廃が可能に

(中国)

北京発

2022年10月12日

中国人民銀行(中央銀行)と中国銀行保険監督管理委員会は929日、「差別化された住宅貸付政策の段階的調整に関する通知」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。条件を満たした都市は2022年末までに、自らの判断で1件目の個人向け住宅ローン金利の下限を段階的に引き下げ・撤廃することができるとした。2件目以降は現状のままとする。

これまで、515日に1件目の個人向け住宅ローン金利を、ローンプライムレートよりも最大で0.2%引き下げることができるとの通知が出されていたが(2022年5月25日記事参照)、さらに踏み込んだ措置となる。

具体的には、202268月に新築住宅販売価格が前月比、前年同月比でいずれも連続して下落した都市が対象となる。各都市は、自らの住宅市場の状況に基づき金利下限の引き下げ・撤廃を判断する。

招聯金融の董希淼・首席研究員は今回の措置について、住宅需要を呼び起こす効果はあるとしながらも「一部の小規模な都市は条件を満たす可能性があるが、大都市や一部の省都(注)は対象とならないだろう」とした(「経済参考報」930日)。

国家統計局により住宅販売価格の変動が発表されている70都市では23都市が対象となるとみられ、うち直轄市は天津市、省都は河北省石家庄市、黒竜江省ハルビン市、湖北省武漢市、雲南省昆明市、貴州省貴陽市、甘粛省蘭州市のみにとどまるとされる(「中房網」930日)。

(注)省・自治区の政府所在都市。

(河野円洋)

(中国)

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