住宅購入時の住宅積立金貸出金利を引き下げ

(中国)

北京発

2022年10月12日

中国人民銀行(中央銀行)は9月30日、1件目の住宅購入に当たっての住宅積立金(注)貸出金利を0.15ポイント引き下げると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。引き下げは10月1日から実施される。

引き下げ後の貸出期間5年以下の金利は2.6%、5年超の金利は3.1%となる。2件目以降の金利は変わらず、5年以下は3.025%、5年超は3.575%のままとされている。住宅積立金貸出金利の引き下げは2015年8月以来となる。

住宅ローンに関する金利については、金融機関などによる貸出に適用されるローンプライムレート(LPR)は2022年に入り、期間5年以上は3回、期間1年は2回引き下げられている(2022年8月22日記事参照)。

易居研究院シンクタンクセンターの厳躍進・研究総監は、今回の引き下げで住宅積立金貸出金利の銀行貸出金利に対する優位性が強まり、実需の住宅購入者に対して積極的な効果を生じるとしている(「光明網」10月1日)。

英大証券研究所の鄭後成・所長は、今回の引き下げは頭金比率の引き下げなどと比べても住宅販売促進の有効な手段だとしつつ、引き続き様々な手段を組み合わせた対策が必要だとした(「新華財経」9月30日)。

中国の住宅販売額は2022年に入り、一貫して前年同期比で減少しており、1~8月は30.3%減となっている。

(注)主に住宅購入に使用される積立金で、社会保険と同様に企業、従業員がそれぞれ納付する。住宅購入、リフォームなどの際に積立金口座から引き出して使用されるが、残高などに応じて住宅ローンの貸し付けを受けることもできる。

(河野円洋)

(中国)

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