上海市が産業支援策を発表、経済回復支援を一層強化

上海市政府は9月28日、経済回復と発展の基盤強化を目的とした「上海市業界支援、産業強化、経済の安定成長に向けた若干措置」を発表した（詳細は添付資料表参照）。主な内容は以下のとおり。

• 新型コロナウイルスの影響を強く受けた業種のうち、映画館や劇場、スポーツ施設に対して補助金を支給する。航空産業には、PCR検査や消毒作業、安全確保などの費用を中心に補助金を支給する。
• 投資を積極的に拡大する。小洋山北側開発（注）や市内鉄道開発などの重大プロジェクトの企画・実施を加速し、2022年中の重大プロジェクトの投資額を2,000億元（約4兆円、1元＝約20円）超とする。
• 消費回復を促進する措置を継続的に実施する。「五五購物節（55ショッピング・フェスティバル）」などと併せて、「愛購上海」（2022年8月23日記事参照）で10億元の電子消費券の相乗効果を生み出すほか、商業施設、ECプラットフォーム、小売業、飲食業、文化観光施設でのキャンペーン実施などを通じ、消費回復を促す。また、スポーツ消費券を継続的に発行し、体育施設が購入する防疫用品に毎月1,500元の補助を行う。消費者に対しては、エコ家電を購入した場合、1人1,000元を上限に購入金額の1割を補助する。さらに、新エネルギー車取得税の免除期間を2023年末までに延長する（2022年9月28日記事参照）。
• 2022年第4四半期（10～12月）から、従業員医療保険金の企業負担の比率を0.5ポイント引き下げる。また、道路運送車両の通行料金を10％、港湾サービス費を20％削減するなど、企業負担を軽減する。

これら措置は2022年10月１日からの実施。なお、上海市政府が2022年3月に発表した「上海市新型コロナウイルス感染拡大の阻止に全力を注ぎ、企業の発展を支援する若干の政策措置」と、5月に発表した「上海市経済の回復と復興を加速させるための行動プラン」（2022年6月1日記事参照）で定めた施策は引き続き有効とし、施策が個別に期限を定めている場合はそれに従う。

（注）上海市と浙江省が小洋山の北側に共同で新しい港区を開発するプロジェクト。

（王艶）