上海市、6月1日から封鎖解除、経済の早期回復プランも発表

(中国)

上海発

2022年06月01日

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月末から中国・上海市で実施されてきた封鎖管理措置により、同市の経済活動は大きな影響を受けた(2022年5月30日記事参照)が、足元では感染が収束しつつある。

感染が収束傾向にあることを踏まえ、上海市政府は5月29日、経済の安定化と早期回復を目指し、6月1日以降、企業の操業再開に必要なホワイトリストおよび申請許可制度(2022年4月18日記事参照)を廃止すると発表した。さらに同市政府は5月30日、6月1日から中高リスク地域、封控区、管控区(2022年5月11日付地域・分析レポート参照)以外の地域における、小区(住宅エリア)の出入り、自家用車を含めた自動車の通行制限の解除、公共交通機関の運行再開を発表した。

そのほか、同市政府は5月29日、企業の操業再開などを通じて上海市経済を早期に回復させるべく、「上海市経済の回復と復興を加速させるための行動プラン」を発表した(詳細は添付資料参照)。主な内容は以下のとおり。

  • 社会保険料・税負担の軽減。飲食、小売り、旅行、航空、交通運輸業種の企業は4月から段階的に社会保険料の企業負担分納付を猶予。
  • 家賃減免対象範囲の拡大。
  • 企業の水道光熱費の低減。3カ月分の水道(汚水処理費を含む)、電気、ガス(ガス発電所用の天然ガスを除く)費用の10%を補助。
  • 外資系企業の生産・操業再開支援。重点外資系企業を対象に専門人員を配置し、生産・操業再開や、物流、防疫物資などにおける問題解決を支援。外資系企業による重要プロジェクトの円滑な推進を支援。
  • 消費活動活性化の促進。年内に非営業性の自動車用ナンバープレートを新たに4万枚発給。乗用車購入税を段階的に引き下げ。個人による純電動自動車の買い替えには1台当たり1万元(約19万円、1元=約19円)を補助。スマート家電や省エネ製品への買い替えにも補助金を支給。

(王艶)

(中国)

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