上海市、市民の消費促進に10億元の消費券発行へ

(中国)

上海発

2022年08月23日

上海市政府は811日、消費促進のため、市民向けに10億元(約200億円、1元=約20円)の「愛購上海」電子消費券を発行すると発表した。財源の10億元は上海市政府が全て負担し、同市在住の18歳以上の消費者を対象に、第1回に2億元、第2回は5億元、第3回では3億元を発行する。

消費券の発行形式は「オンライン申し込み+抽選」となっており、8月下旬から11月下旬にかけて3回発行する。第1回の申し込み期間は82022日で、発行は826日となる。第2回と第3回はそれぞれ9月下旬、10月下旬に申し込み開始となっている。消費者はアリペイ、ウィーチャット、雲閃付という3つの携帯アプリ(APP)の消費券発行プラットフォームを通じて申し込みが可能。使用範囲は小売り、飲食、文化・観光業界のみとなっている。消費促進キャンペーンに参加を希望する企業は事前の申請が必要だが、ソフトとハード面の条件を備えていれば、規模の大小を問わずに申し込むことができる。

電子消費券の発行について、上海市商務委員会の劉敏副主任は「中秋節や国慶節、ダブルイレブン(1111日)などの重要な祝日と消費シーズンを追い風に、政府と企業が共同で消費振興に力を入れて経済回復を加速させる」と述べた(「21世紀経済報道」818日)。

封鎖管理の影響で2022年上半期の上海市の社会消費品小売総額は前年同期比16.1%減となったが(2022年7月22日記事参照)、上海市政府は消費券の発行に加えて、7月末には消費喚起を目的とした第3回「五五購物節(55ショッピング・フェスティバル)」を開催し、下半期には消費回復を図る姿勢をみせている。

(宋青青)

(中国)

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