ADBが南アジア、インドの2022年GDP成長率を6.5%、7.2%に下方修正

(インド、スリランカ、バングラデシュ、パキスタン)

アジア大洋州課

2022年08月16日

アジア開発銀行(ADB)は721日、「2022年版アジア経済見通し(補足版)」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。南アジア(注)の2022年のGDP成長率は、前回20224月の発表(2022412日記事2022418日記事参照)より0.5ポイント低い6.5%と予測、また、2023年の成長率については、前回より0.3ポイント低い7.1%と予測した。ADBは、南アジアにおける2021年の経済成長を下方修正した要因として、主にスリランカの経済危機(2022629日記事202289日記事参照)と、インドの高インフレとそれに伴う金融引き締め(2022812日記事参照)を挙げた。

南アジアのインフレ率は、2022年予測の6.5%から7.8%、2023年は5.5%から6.6%に上方修正した。その理由として、燃料・食料・その他コモディティー価格の世界的高騰や、一部の国の国内要因によるものと説明した。

新型コロナウイルスのオミクロン変異株およびロシアによるウクライナへの軍事侵攻による経済的影響を受け、インドにおける20212022年度(20214月~20223月)のGDP成長率は8.9%から8.7%に、20222023年度(20224月~20233月)は7.5%から7.2%に下方修正。20232024年度(20234月~20243月)のGDP成長率についても、4月予測の8.0%から7.8%に下方修正した。

ADBによるインドに係る主な指摘は以下のとおり。

  • インフレ率は、原油価格が予想を上回ったため、20222023年度の5.8%から6.7%に、20232024年度も前回の5.0%から5.8%に上方修正。
  • 高インフレ率が消費者の購買力を低下させる。
  • 物価高の影響は、物品税の引き下げ、肥料とガス補助金の支給、無料の食糧配給プログラムの延長によって、部分的に相殺される可能性あり。他方、インド準備銀行(RBI、中央銀行)はインフレ封じ込め政策として、金利引き上げを継続しているため、企業の借入コストの上昇に伴い民間投資は軟化する。
  • 世界的な需要低迷および実質実効為替レートの上昇により、ルピーが下落しているにもかかわらず輸出競争力が損なわれ、純輸出は縮小する。
  • 供給面では、物品価格の上昇が鉱業を後押しするものの、製造業は、原油価格の上昇による投入コスト上昇の難局を免れない。
  • 2020年以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響を強く受けたサービス部門は、経済の正常化や旅行再開により、2022年度以降は復調する。

(注)南アジア:アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、インド、モルディブ、ネパール、パキスタン、スリランカ。

(寺島かほる)

(インド、スリランカ、バングラデシュ、パキスタン)

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