中銀が3会合連続で利上げ
(インド)
ムンバイ発
2022年08月12日
インド準備銀行(RBI、中央銀行)は8月5日、金融政策決定会合(MPC)を開催し、政策金利(レポレート)を0.5ポイント引き上げ、5.40%にすることを全会一致で決定した。
今般の措置で、前々回5月の0.4ポイント、前回の0.5ポイントと合わせて3会合合計で1.4ポイントの利上げとなった。
RBIのプレスリリースによると、前回6月8日の会合以降、世界的な金融引き締めの影響とウクライナ情勢による景気後退リスクの悪化、新興国通貨の対ドルの弱体化に伴う資本流出や外貨準備金の損失などが経済成長と金融不安定を悪化させているとしている。こうした状況を踏まえて、インフレ圧力を抑制してインフレ率を許容範囲(4%±2%目標)に近づけ、経済成長を持続させるには、さらなる金融政策規制が必要だとして、3会合連続の利上げを決定した。
国内経済について、モンスーン期(6~9月)の降水量が直近で長期平均値より6%超と平年並みで、農村部の需要が回復していることや、2022年度第1四半期(4~6月)の輸出額が前年同期比24.5%増と伸びたこと、非石油・非金関連製品の輸入が堅調なことなどから、内需は底堅く推移していると評価している。一方、7月19日に対ドルレートが史上最高値(1ドル=80.06ルピー)を記録した後、79ルピー台を推移しているルピー安ドル高の状況が輸入インフレ圧力に拍車をかけ、製造業やサービス部門の生産価格を上昇させると予測している。
インフレ率については、同年度第2四半期(7~9月)は7.1%、第3四半期(10~12月)6.4%、第4四半期(2023年1~3月)5.8%、2022年度全体は6.7%と、上限許容範囲6%を超えると予測している。
(松永宗徳)
(インド)
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