日本通運、日本発米国向け海上輸送で新サービス開発、米西海岸の港湾混乱を回避

(米国、日本、オランダ)

米州課

2022年08月04日

日本通運は83日、日本発米国向けの新たな海上輸送サービスを発表した。1つは米国東海岸経由シカゴ向けで、もう1つはオランダ・ロッテルダム経由の米国各地向けとなっている。

新しいサービスを開発した背景には、米国西海岸での荷役作業の停滞と港湾ストライキのリスクがある。西海岸の港湾では、使用者側の太平洋海事協定(PMA)と国際港湾倉庫労働組合(ILWU)の労働協約が71日に失効し、依然として妥結していない(2022年7月4日記事参照)。両者は失効当日に共同声明を発表し、港湾の通常業務の継続を表明しているが、リスクは残ったままとなっている。これは、米国内の他港湾で取扱量が増加している一因でもある(2022年7月262022年7月292022年8月22022年8月4日記事参照)。

米国東海岸経由シカゴ向けの輸送サービスでは、東京、横浜、名古屋、神戸の混載貨物専用倉庫(CFS)で貨物を積み合わせ、韓国・釜山経由で米国東海岸のニューヨーク港やノーフォーク港に向かう。荷揚げされた貨物はシカゴのCFSへ運ばれる。所要日数は、東京からシカゴまでで約47日間。日本通運はこの輸送ルートのメリットについて、西海岸の港湾混乱を回避できるため「リードタイムの見える化」が可能となり、東京港で船積み後にシカゴCFSまでコンテナを開封しないため安全性が確保できるとしている。

他方、オランダ・ロッテルダム経由米国各地向けの輸送サービスでは、東京、横浜、名古屋、神戸で貨物を積み合わせ、ロッテルダムまで直行し、同地でコンテナを取り出した(デバンニング)後、米国の各拠点に届けられる。所要日数は、東京からシカゴまでで約74日間と長いが、ニューヨークやヒューストンなど米国内の多くの仕向け地まで輸送でき、ロッテルダム経由でも通常の米国向けと同様の手続きで対応できる。

米国調査会社デカルト・データマインによると、7月の日本発米国向け海上コンテナは、荷受け地ベースで57,024TEU20フィートコンテナ換算)となり、前年同月(56,802TEU)からわずかに増加している(注)。米国を含め、世界各地で海上輸送の混乱が続いているが、輸送業者もこれに対応するかたちでサービスの拡大を図っている様子がうかがえる。

(注)データは随時更新される。本記事は84日時点のデータに基づく。

(片岡一生)

(米国、日本、オランダ)

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