米ニューヨーク・ニュージャージー港湾局、長期滞留の空コンテナ削減へ料金徴収を発表

(米国)

ニューヨーク発

2022年08月04日

米国ニューヨーク・ニュージャージー港湾局は82日、同港湾の長期滞留の空コンテナを削減する取り組みの一環として、海運会社に対してコンテナ・インバランス料金(container imbalance fee)を四半期ごとに徴収すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。連邦政府が義務付ける30日間の通知期間を経て、91日から適用される予定。

発表によると、海運会社の総出荷コンテナ量は同期間の総入荷コンテナ量の110%以上でなければならず、この基準に達しない場合は、今回導入する新たなコンテナの保守管理費用として、コンテナ1個につき100ドルの手数料が課されるとした(注)。港湾局によると、今回課す料金の収益は保管容量を提供する費用や、空コンテナの供給過剰によって発生するその他の費用を相殺するために利用するとした。

米国東海岸の港湾の取扱量はここ数カ月増加傾向にある。業界アナリストらによると、この背景には、米国西海岸の労務交渉の行方の不透明感による西海岸からの輸送シフトや、同港を利用する従来の航路を利用した輸入の急増を指摘している。全米で4番目のコンテナ貨物取扱量を誇る南東部ジョージア州サバンナ港では2022年度のコンテナ取扱量が過去最高を記録した(2022年7月29日記事参照)。また、二ューヨーク・ニュージャージー港湾の貨物取扱量は前年同期比12%増加し、新型コロナウイルスのパンデミック前の2019年の同時期と比較すると34%増と大幅に伸びた。

同港湾局ディレクターのベサン・ルーニー氏は「港湾施設内や周辺に空コンテナが蓄積していることが、既に全米でさまざまなストレス下にある地域のサプライチェーンに影響を与えている」と指摘した上で、海運会社には、港と地域の商業活動を維持するために、空コンテナをより迅速かつ大量に移動させる努力を強化するよう強く促した。

なお、港湾局は、新たなコンテナ・インバランス料金の詳細を記した料金表をウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますPort Authority Marine Terminals FMC Schedule No. PA 10Effective September 1, 2022)に掲載している。同料金は、世界的なサプライチェーンの危機が緩和された時点で再度評価され、20239月までに同局の委員会に対し必要に応じて見直しが行われる予定だ。

(注)入出荷コンテナには、鉄道輸送量を除く、積載コンテナと空コンテナの双方が含まれまる。

(樫葉さくら)

(米国)

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