5月の日本の対中貿易、輸出は引き続き2桁減も輸入は増加
(中国、日本)
中国北アジア課
2022年07月08日
ジェトロがGlobal Trade Atlas(グローバル・トレード・アトラス)を基に、日本の対中国貿易(ドルベース)をまとめたところ、5月の対中輸出は前年同月比で4月に続き2桁の減少となった。一方、輸入は力強さに欠くものの、4月の2桁減から増加に転じた(添付資料図参照)。中国では2022年に入り、新型コロナウイルスのオミクロン株感染が複数地域で拡大し(2022年5月30日記事参照)、上海市は3月28日から約2カ月間封鎖管理下に置かれた(2022年4月15日付地域・分析レポート、2022年5月11日付地域・分析レポート)。同市と中国の5月の経済指標をみると、4月に引き続きそのマイナスの影響がみられた(2022年6月21日記事参照、2022年6月30日記事参照)。上海日本商工クラブが5月27~31日に実施した実績把握でも、国際物流の手配は必要量の半分以下しか手配できていないと回答した日系企業は約6割となるなど(2022年6月7日記事参照)、5月も物流面や生産面で混乱が続いた。そのような中、5月の日中貿易は4月に引き続き一定の影響を受けた(2022年6月1日記事参照)。
5月の日本の対中輸出額は前年同月比15.5%減の107億8,634万ドル、輸入額は6.5%増の155億424万ドルだった(添付資料表1、2参照)。1~5月期では、輸出額が前年同期比8.6%減の597億2,771万ドル、輸入額が1.0%増の763億6,724万ドルとなった。
5月の貿易を品目別でみると、対中輸出額上位10品目(HSコード4桁ベース)のうち8品目が前年同月比で減少、うち7品目の減少幅が2桁となった。ちなみに、4月にはこれら10品目は全て減少していた。
輸出額1位は半導体、集積回路またはフラットパネルディスプレーの製造用機器(8486)で、前年同月比23.5%減の7億997万ドル、2位は集積回路(8542)で12.0%減の5億4,893万ドルで、寄与度はそれぞれマイナス1.7ポイント、マイナス0.6ポイントとなった。自動車の部分品および付属品(8708、前年同月比25.8%減の3億7,124万ドル)、乗用自動車その他の自動車(8703、46.1%減の3億4,076万ドル)もマイナスの寄与が目立った。一方で、銅のくず(7404)、精製銅または銅合金の塊(7403)が増加した。
対中輸入額上位10品目(HSコード4桁ベース)をみると、6品目が前年同月比で増加した。これら10品目は4月には2品目のみ増加していたことを踏まえると、回復がみてとれる。輸入額1位は電話機およびその他の機器(8517)で、前年同月比6.0%増の16億6,545万ドル(寄与度0.6ポイント)となったほか、集積回路(8542、36.1%増の2億7,015万ドル)、トランスフォーマー、スタティックコンバー ターおよびインダクター(8504、19.1%増の2億2,873万ドル)もそれぞれプラスの寄与が目立った。2位の自動データ処理機械(8471)は18.0%減の10億255万ドルとなり、寄与度はマイナス1.5ポイントとなった。エアコンディショナー(8415)、モニター、プロジェクターおよび受像機器(8528)もマイナスの寄与が目立った。
(宗金建志)
(中国、日本)
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