上海市、5月も主要経済指標は2桁減、飲食業や物流の回復遅れる

(中国)

上海発

2022年06月30日

3月末から上海市で実施されている新型コロナウイルス対策の封鎖管理措置は、4月(2022年5月30日記事参照)に次いで5月も、同市経済に大きな影響を与えた。同市統計局が発表した5月単月の主要経済指標は、4月より若干改善したものの、前年同月比では2桁減が続いた(添付資料表参照)。

需要面の指標をみると、消費動向を示す社会消費品小売総額の伸び率は、5月単月で前年同月比36.5%減と4月(48.3%減)より減少幅が縮小したものの、宿泊・飲食業の小売額は61.4%減と、引き続き4月(69.0%減)並みの落ち込みが続いている。上海市政府は6月29日から感染リスクが低い地域の飲食店での店内飲食を認めたが、入場人数や飲食時間の制限などを設けているため、飲食業界の完全回復にはまだ遠い。

単月の固定資産投資総額は公表されていないが、1~5月の固定資産投資は前年同期比21.2%減と、1~4月(11.3%減)より深刻さが浮き彫りになった。このうち、インフラ投資は41.3%減、工業投資は22.1%減、不動産開発投資は17.6%減となり、固定資産投資の主要3項目がいずれも1~4月より悪化した。

5月の貿易総額(人民元ベース)前年同月比伸び率は14.1%減と、4月(36.5%減)より改善がみられた。主要な貿易相手国・地域への輸出では、日本向けは25.7%減(4月:56.6%減)、米国向けは27.5%減(47.3%減)、EU向けは4.7%減(37.2%減)、香港向けは28.5%減(56.2%減)と、4月よりいずれも減少幅が縮小した。

供給面では、工業生産総額伸び率は1~5月が前年同期比15.5%減、5月単月では28.3%減となった。

なお、1~5月の対内直接投資(実行ベース)は前年同期比3.8%減の98億7,600万ドルとなった。国・地域別では、香港からの投資額が6.8%増の76億1,700万ドルで最も多く、次いでシンガポール(51.5%減の6億4,000万ドル)、米国(8.1%減の2億6,200万ドル)の順だった。

上海市は6月に入ってから、平常どおりの生産・生活の秩序の回復を図っているが、混乱したサプライチェーンなどの修復にはなお時間かかる。中国の先物取引業者の銀河期貨が6月22日に公表したレポートよると、封鎖管理で上海港に滞留した貨物を解消するためには、1~2カ月を要すると見込まれている。

(劉元森)

(中国)

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