世界銀行は2021/2022年度の経済成長率を6.4%と予測

(バングラデシュ)

ダッカ発

2022年06月17日

世界銀行は6月7日に発表した「世界経済見通し」(2022年6月9日記事参照)において、バングラデシュの2021/2022年度(2021年7月~2022年6月)の実質GDP成長率は6.4%、2022/2023年度(2022年7月~2023年6月)は6.7%との予測結果を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注)。南アジア全体では2022年に6.8%の経済成長が見込まれる中、2021/2022年の会計年度ベースでは、バングラデシュはインド(8.7%)、モルディブ(7.6%)に次ぐ成長率となった。

この要因として、バングラデシュは、新型コロナウイルスのパンデミックからの経済回復が順調にみられ、特に好調な輸出が挙げられる。そのため、2022年前半の経済活動の活性化が、2021/2022年度の堅調な経済成長予測につながっているとみられる。また、食用油の輸入時にかかるVAT(付加価値税)を3月に引き下げるなど、インフレ率上昇(2022年3月9日参照)の緩和策も奏功した。世界銀行は2022/2023年度の予測として、民間投資の回復および中東地域の経済成長に伴う、海外出稼ぎ労働者からの郷里送金の増加を理由に、バングラデシュの成長率拡大を見込んでいる。

一方で、南アジア共通の課題も多く挙げられた。例えば、ロシアのウクライナ侵攻による世界的な食品やエネルギー価格高騰のため、輸入額の増加と経常赤字の拡大、さらには家計への圧迫・貧困拡大、輸出先である先進国の需要減、金融環境の変化、今後の不確実性の増大など多岐にわたり、影響を大きく受けていることが指摘された。その中で、同地域は家庭の消費全体に占める食品への支出割合が他の新興国と比べて高い傾向にあることから、食品価格高騰による影響が一層大きいとした。さらに世界銀行は、製造業の生産性強化や社会保障に対する予算措置が不十分になりかねないことも指摘している。

また、新型コロナウイルスの感染再拡大も、南アジアにおける経済成長の下振れリスクと指摘されている。新型コロナ禍の影響による教育機関の閉鎖により、同地域全体で約4億人の子供が学校に通えなくなったことで、人的資本の蓄積や貧困率の削減が妨げられたことも課題として挙げられた。

バングラデシュの2021年7月~2022年4月の輸入総額は686億6,900万ドル(前年同期比41.4%増)、経常赤字は前月比8.2%増の153億1,700万ドル(22年4月末時点)と、赤字は拡大している。また輸入増加に伴い、通貨タカ安も進んでいたところ(2022年5月18日記事参照)、対米ドルレートは1ドル=91.5タカまで切り下がり(6月9日時点)、この1カ月間でさらにタカ安が5.8%進んだ。タカ安は国内の物価高につながるため、引き続き為替の動向にも注目が集まる。

(注)2022年1月の同調査(2022年1月18日記事参照)から、2022/2023年度の成長率予測のみ0.2ポイント引き下げられた。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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