ドイツ、エネルギー安保の第2次進捗報告書を発表、ロシア産エネルギーへの依存度急減

(ドイツ、ロシア、ウクライナ)

デュッセルドルフ発

2022年05月06日

ドイツ経済・気候保護省(BMWK)は5月1日、「エネルギー安全保障の第2次進捗報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。3月25日に第1次報告書(2022年4月6日記事参照)を発表して以来、明確な進捗があり、サプライチェーンの多様化によってロシア産エネルギーへの依存度を下げられ、石油は現在、ロシア産が12%、石炭は8%、天然ガスは35%に低下したという。

具体的に実施した事項は、供給不足・停止に備えるため3月30日に「ガスに関する緊急計画」のレベル1である「早期警戒」を初めて発令したほか(2022年4月12日記事参照)、4月25日にはエネルギー確保法の改正案の起草支援(注1)を閣議決定した(2022年5月2日記事参照)。また、安定供給の維持のため、ロシア国有ガス会社ガスプロムのドイツ子会社ガスプロム・ゲルマニアを対外経済法に基づき、4月4日~9月30日に連邦ネットワーク庁の管理下に置いた。また、天然ガス貯蔵施設の貯蔵率を定めるエネルギー事業法の改正法(2022年4月4日記事参照)を4月30日に施行した。このほか、3月1日に開始した天然ガスの購入プログラムでは合計約9億5,000万立方メートル分を購入済みで、5月末までに貯蔵施設に充填(じゅうてん)予定。さらに、4月6日には再生可能エネルギー拡大を目指し、複数のエネルギー政策関連法の改正法案をまとめた「イースター・パッケージ」を閣議決定した(2022年4月18日記事参照)。

ロシア産天然ガスの依存度低減に関して、政府は液化天然ガス(LNG)の調達先確保を目指すと同時に、29億4,000万ユーロの予算も確保してエネルギー大手RWEとユニパーを通じて浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備(FSRU、注2)4隻の設置を進めている。ドイツ北部ニーダーザクセン州ウィルヘルムスハーフェン市への設置はまもなく開始され、2022年中に稼働開始予定。同じく北部のシュレスビヒ・ホルシュタイン州ブルンスビュッテル市では稼働開始を2023年初頭に見込む。

前述のLNG関連のプロジェクトを迅速に進めるべく、BMWKは環境・自然保護・原子力安全・消費者保護省と司法省と緊密に協力して新たにLNG加速法の起草支援を作成、政府内で調整中だ。同法は関連の許認可手続きなどの迅速化によりLNGの国内市場への速やかな導入を目指すもの。同法により、許認可を担当する官庁は一定の条件の下、一時的に特に環境影響評価に関する手続きの条件を一部免除できる。

(注1)起草支援(Formulierungshilfe)とは、正式な法案や改正法案になる前段階の素案・草案の状態のもの。エネルギー確保法の改正案の起草支援は、既に改正法案として連邦議会(下院)に提出され、4月29日に審議が開始されている。

(注2)Floating Storage and Regasification Unitの略。陸上にLNG基地をつくらず、貯蔵・再ガス化設備を加えた専用船を洋上に係留する。

(ベアナデット・マイヤー、作山直樹)

(ドイツ、ロシア、ウクライナ)

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