メコン各国、入国手続き緩和と感染拡大防止を継続

(タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー)

アジア大洋州課

2022年04月01日

ジェトロは、アジア太平洋地域における、新型コロナウイルスに関する直近の主要な動きをまとめた。メコン諸国では、引き続き入国制限・水際措置緩和の動きがみられる。ミャンマーでは、新型コロナの流行以降、一時停止していたオンラインによるe-Visa申請のうち、ビジネスビザについて4月1日から受け付けを再開する。またタイも、入国の際に義務付けられていた渡航前72時間以内のPCR検査による陰性証明の取得を4月1日以降、不要とする。他方、今後の感染拡大防止に向け、治療薬の確保や、ワクチン接種普及に向けた動きもみられる。

各国の主要動向は以下のとおり。

〇タイ

政府は3月30日、タイ入国の際に義務付けられていた渡航前72時間以内のPCR検査による陰性証明につき、2022年4月1日以降、取得不要とする旨を公表(2022年4月1日記事参照)。

保健省は、全国の公立・民間病院および中央政府が備蓄する新型コロナ治療薬「ファビピラビル」の在庫が計2,500万錠(3月28日時点)と公表。毎日平均200万錠が使用されているが、在庫は常に補充していると発表(クルンテープ・トゥラキット)。

〇ミャンマー

移民・人口省は3月30日付の国営紙で、2020年3月20日から停止していたオンラインによるe-Visa申請を、ビジネスビザについてのみ4月1日から申請受け付けを再開すると発表。また政府は、これに先立つ3月18日の通達で、4月17日からの国際旅客便の運航再開も公表(2022年3月31日記事参照)(注)。

〇カンボジア

保健省は3月25日、首都プノンペンのほか、地方でも英国アストラゼネカ製や米国ファイザー製のワクチンによる3回目、4回目のブースター接種の準備が整ったことを発表(保健省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、プノンペンポスト)。

〇ラオス

保健省は、国内の民間製薬会社3社に、新型コロナの治療薬「モルヌピラビル」の生産を許可。また、同治療薬(1回の治療に使用する5日分)の販売価格を上限40万キープ(約4,000円、1キープ=約0.010円)に設定(ビエンチャンタイムス)。同省は、感染拡大を防ぐため、医療関係者、基礎疾患保持者、高齢者を対象に、4回目のワクチン接種を4月から開始する予定(ビエンチャンタイムス)。

○ベトナム

ホーチミン市人民委員会は3月24日、新型コロナ感染者の濃厚接触者となっても、ワクチンを必要回数接種している場合や感染回復から3カ月以内の場合は、所定の規則を順守することで、通勤や通学を継続できる旨を発表(2022年3月29日記事参照)。

なお、各国の感染状況、現地の行動制限、空港の再開状況、経済活動の制限などについては、アジアにおける新型コロナウイルス対応状況でも直近の状況をまとめている。

(注)2022年3月時点で、4月に4便、また5月に1便、全日本空輸(ANA)によるヤンゴン発、成田行のフライト運航が予定されている(在ミャンマー日本大使館外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(田口裕介)

(タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー)

ビジネス短信 5f5bc72ad84e345e