2月21日以降の新型コロナ警戒信号の色発表、半数の州が緑に好転

(メキシコ)

メキシコ発

2022年02月21日

メキシコ連邦保健省は2月18日、国内各州の新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事8月31日記事2021年7月26日記事参照)の21日以降に適用する色を発表した。全国32州のうち16州が黄、16州が緑となり、オレンジの州はゼロとなった。多くの州で信号の色が好転し、アグアスカリエンテス州、チワワ州、コアウイラ州、コリマ州、ハリスコ州、ナヤリ州、ヌエボレオン州、ケレタロ州、シナロア州、ソノラ州、タマウリパス州がオレンジから黄、南バハカリフォルニア州、グアナファト州、ゲレロ州、ミチョアカン州、プエブラ州、キンタナロー州、タバスコ州、ユカタン州が黄から緑、バハカリフォルニア州、ドゥランゴ州、サンルイスポトシ州、サカテカス州がオレンジから緑に好転した。色が後退した州はない。進出日系企業の多い州では、アグアスカリエンテス州、チワワ州、コアウイラ州、メキシコ市、ハリスコ州、メキシコ州、ヌエボレオン州、ケレタロ州、タマウリパス州が黄。バハカリフォルニア州、グアナファト州、サンルイスポトシ州、サカテカス州が緑。

発症日別の新規感染者数を週単位でまとめたデータをみると、全国の新規発症者数は2021年第51週(12/19~25)からオミクロン型変異株の影響で急増した。第51週は前週比82.6%増、第52週(12/26~1/1)が3.2倍、2022年第1週(1/2~1/8)が2.9倍と急増したが、第2週(1/9~15)は40.2%増と減速、第3週(1/16~22)に20.6%の減少に転じ、第4週(1/23~29)が40.5%減、第5週(1/30~2/5)が46.2%と減少傾向が続いている。第5週の1日当たり発症者数は現時点で1万3,930人(注1)で、感染の第3波ピーク時(2021年第31週)の73.6%の水準まで低下している。病床利用率は2月17日時点で一般病床が28%、人工呼吸器付き病床が19%となっており、2月1日時点のそれぞれ45%、30%と比較すると、双方とも10%ポイント以上低下している。

18~29歳にも21日からブースター接種開始

メキシコでは原則として14歳以上がワクチン接種の対象となっており(注2)、2月18日時点で全人口の65.9%、14歳以上の人口の86.4%に相当する8,495万8,858人が少なくとも1回の接種を受けている。そのうち7,856万9,196人(全人口の60.9%、14歳以上79.9%)が所定の回数の接種を完了している。

ブースター接種率については、18日時点で医療関係者と教育関係者が100%、60歳以上の高齢者が68%、40~59歳が41%、30~39歳が14%となっている。連邦保健省は同日、18~29歳の層のブースター接種に向けた登録を開始し、メキシコ市などで21日から同層へのブースター接種が開始される。用いられるワクチンは州によって異なるが、主に英国アストラゼネカ社製のワクチンとロシア国立ガマレヤ研究所の「スプートニクV」が用いられている。

(注1)発症日ベースの統計は後から感染が確定して追加されることが多いため、最終的には1日当たり1万5,000人前後になると推定される。

(注2)感染症に弱い病気を患っている場合、例外的に12歳以上でも接種対象となる。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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