1月10日以降の新型コロナ警戒信号の色発表、緑の州が19に減少

(メキシコ)

メキシコ発

2022年01月12日

メキシコ連邦保健省は1月7日、国内各州の新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事8月31日記事2021年7月26日記事参照)について、10日以降に適用の色を発表した。10州で色が後退し、全国32州のうち、3州がオレンジ、10州が黄色、19州が緑となった。チワワ州が黄色からオレンジ、南バハカリフォルニア州とタマウリパス州が緑からオレンジに後退し、コアウイラ州、コリマ州、ドゥランゴ州、キンタナロー州、シナロア州、ユカタン州、サカテカス州が緑から黄色に後退した。進出日系企業の多い州では、チワワ州がオレンジ、アグアスカリエンテス州、バハカリフォルニア州、コアウイラ州、タマウリパス州、サカテカス州が黄色、メキシコ市、グアナファト州、ハリスコ州、メキシコ州、ヌエボレオン州、ケレタロ州、サンルイスポトシ州が緑。

発症日別の新規感染者数を週単位でまとめたデータをみると、新規発症者数は第31週(8/1~7)をピークに減少に転じ、第32週以降14週連続で減少したが、第46週(11/14~20)に10.9%増と下げ止まった。一進一退を繰り返した後、第51週(12/19~25)は前週比80.5%増、第52週(12/26~1/1)は2.8倍と急増し、メキシコでもオミクロン型変異株による第4波が到来している。第52週の1日当たり発症者数は現時点で1万656人で、ピーク時(第31週)の56.3%の水準(注1)。ただし、死亡数は増加しておらず、第52週でも現時点で前週比15.0%減の539人(1日当たり77人)となっている。病床利用率は1月8日時点で一般病床が20%、人工呼吸器付き病床が12%と、おおむね横ばいで推移しており、新規感染者の多くが入院を必要としない患者だ。

米メルクの経口薬使用を緊急承認

連邦衛生対策委員会(COFEPRIS)は1月7日、新型コロナウイルスの飲み薬として開発された米メルクの「モルヌピラビル」の国内での使用を緊急承認した。同承認に向けたプロセスでは、他国の薬事登録機関との情報交換スキームを活用したため、同スキームを通じて情報を入手した12月23日から2週間で承認を終えた。同種の薬の使用承認としては記録的な速さとなる(COFEPRIS1月7日付プレスリリース)。COFEPRISは同経口薬について、重症化の恐れがある患者に対して医師の処方を基に使用されるとし、ワクチンの代替となることはないことを強調、ワクチン未接種の国民に対してワクチンの早期接種を呼びかけている。

メキシコでは原則として(注2)15歳以上がワクチン接種の対象となっており、1月9日時点で全人口の63.9%、15歳以上の人口の85.7%に相当する8,240万7,688人が少なくとも1回の接種を受けている。そのうち、7,405万3,608人(全人口の57.4%、15歳以上77.0%)が所定の回数の接種を完了している。

(注1)発症日ベースの統計は後から感染が確定して追加されることが多いため、最終的には1日当たり1万2,000人超になると推定される。

(注2)感染症に弱い病気を患っている場合、例外的に12歳以上でも接種対象となる。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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