北極海航路のトランジット輸送が59%増

(ロシア)

モスクワ発

2021年12月28日

ロシアで、北極海航路を活用した欧州とアジアをつなぐトランジット輸送が拡大している。国有原子力会社ロスアトムなどが主体となって運営する北極海公共評議会が、12月21日に発表した。2021年の同航路を利用したトランジット輸送は前年比59%増の204万トンで、船籍別では全92隻のうち13隻がロシア、79隻が外国籍だった。運航した船社の所属国別にみると、11月30日時点でドイツ(22回)、ノルウェー(注)(18回)、中国(14回)、オランダ(6回)だった。主要貨物は、アジア向けへは鉄鉱石、木材、石炭、欧州向けにはコンテナを含む一般貨物だった。

北極海航路は、ロシア国内の天然資源輸出にも活用されている。2021年の貨物輸送総量は3,400万トン(予測値)。その大半は、独立系天然ガス開発大手ノワテクが主導する「ヤマルLNG」プロジェクトで産出された液化天然ガス(LNG)、およびガス最大手ガスプロムの石油子会社ガスプロムネフチが主導する「ノーブィ・ポルト」プロジェクトで産出された原油だ。

ロシア政府は、北極海航路の輸送量を2024年末までに8,000万トンに引き上げる目標を掲げ、関連港湾の整備を進めている(2018年10月17日記事参照)。2021年9月26日には、商船三井がロシア国有リース会社GTLKとの間で、浮体式LNG貯蔵設備(FSU)を保有するGTLK子会社への出資に合意した。商船三井は、ロシア極東のカムチャツカ地方およびロシア北西部のムルマンスク州での海洋LNG積み替えターミナルの建設に参画している(2019年10月2日記事参照)。それらのターミナルは「ヤマルLNG」プロジェクト(2019年6月23日記事参照)および「アルクティクLNG2」プロジェクト(2019年7月23日記事参照)で生産されるLNGを、アジア太平洋地域および欧州地域の需要家向けに輸送するために使用される。

(注)ノルウェー船社と、石炭採掘大手シベリア石炭エネルギー会社(SUEK)スイス法人との共同運航。

(タギール・フジヤトフ、菱川奈津子)

(ロシア)

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