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新型コロナ感染拡大による製造業サプライチェーンへの影響懸念、インドネシア日系企業

(インドネシア、タイ、マレーシア)

ジャカルタ発

2021年08月19日

ジェトロがインドネシアの日系企業にヒアリングしたところ、複数の製造業で、東南アジア諸国での新型コロナウイルス感染拡大と活動規制の実施により、サプライチェーンへの影響が懸念され、実際に一部の企業では影響が出ていた(ヒアリング期間8月13、14日)。

インドネシアでは6月後半からの感染拡大に伴い、日系製造業で従業員の多くが感染するなど操業に大きな影響が出ていた(2021年7月9日記事参照)。しかし、7月半ばに感染拡大のピークを迎え、特にジャカルタ特別州などでは、現在の状況が改善されつつある。日系電機メーカーA社も「従業員間の感染は落ち着きつつある」としている。

一方、原材料を海外から調達する一部の在インドネシア日系製造業からは、サプライチェーンへの影響を指摘する声が上がる。輸送用機器関連製造業B社は、マレーシアから輸入していた原材料の入手が困難になり、調達先をタイに切り替えた。同社担当者は「調達先変更に伴い、コストが16%上昇した」とコメントした。マレーシアでは感染封じ込めのための「国家回復計画(NRP)」を実施し、製造業に対しても出勤率を制限するなど操業制限が課されている(マレーシア:ビジネス活動正常化に向けた基本情報)PDFファイル(1.1MB)。機械部品製造業C社は、一部の部品をタイから輸入している。タイでも感染拡大により操業停止を行う企業が見られる中(2021年7月26日記事参照)、同社担当者は「タイからの部品供給がストップしてしまうのではないか」との懸念を示した。

インドネシア国内から調達する場合でも課題は残る。輸送用機器関連製造業D社は自動車メーカー向けに部品供給を行うが、インドネシア政府による活動制限(2021年8月5日記事参照)により50%の操業制限を行っている。同社担当者は「取引先メーカーの生産態勢が拡大する中、操業制限下での供給は非常に難しい」と話す。一部の完成車メーカーが位置する西ジャワ州カラワン県では、活動制限がレベル4からレベル3に下がり、一部業種でシフト制限が解除された。加えて、自動車の生産台数は増加傾向にある。インドネシア自動車製造業業界(ガイキンド)によると、2021年1月から7月の累計生産台数は58万8,881台で、昨年同期(39万4,056台)比で49.4%増加となった。新車購入時にかかる奢侈(しゃし)税の減免措置などで、自動車への需要が徐々に回復しつつあることが背景にある(2021年4月21日記事参照)。

原材料費の高騰、海上輸送の混乱も悩みの種

加えて、原材料費の高騰や海上輸送の混乱(2021年6月1日記事参照)も企業を悩ませる。C社は原材料費について「直近で前年同月比15~50%程度仕入れ値が上昇している」とする。輸送用機器器具製造業E社は海上輸送の混乱に対して「在庫を増やし、緊急時に備えて航空便による輸送手配を行っている」とするが、「在庫水準を高めることはキャッシュフロー圧迫につながる」と懸念を示す。B社は「物流会社から年内の遅れを挽回することは難しいと聞いており、遅れを前提とした注文数で対応している」と話している。

(上野渉)

(インドネシア、タイ、マレーシア)

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