奢侈税減免対象を拡大、3月の自動車販売台数は前月比で顕著な増加

(インドネシア)

ジャカルタ発

2021年04月21日

インドネシア財務省は4月1日、財務大臣規定2021年第31号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公布・施行し、3月から12月まで導入している新車購入時にかかる奢侈(しゃし)税の減免措置の対象を拡大すると発表した。

同規定によると、既存の対象や措置(2021年3月4日記事参照)に加え、セダンとステーションワゴンを除く、1500cc超2500cc以下で定員10人未満の二輪駆動(4×2)車と四輪駆動(4×4)車が対象となる。二輪駆動車は4~8月は50%減税、9~12月は25%減税する。四輪駆動車は4~8月は25%減税、9~12月は12.5%減税となる。また、従前の規定では70%だった原材料・部品の現地調達率を60%に引き下げることも発表した。

新たな財務大臣規定の公布を受け、工業省は工業大臣決定2021年第839号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布。既存の対象車種21種に、トヨタとホンダの8車種を加えた計29車種を対象とすると発表した。

一方、インドネシア自動車製造業者協会(GAIKINDO)が発表したデータによると、3月の自動車小売り台数は7万7,511台で、前月比で65.1%増加し、前年同月比でも28.2%増だった。ブランド別で前年同月比の増加率が高かったのは、トヨタ(48.7%)、三菱自動車(62.3%)だった。卸売り台数も8万4,910台で前月比72.6%、前年同月比10.5%それぞれ増加した(添付資料表1、2参照)。

ただ、1~3月の前年同期比では、小売り、卸売り販売台数はそれぞれ18.7%減、21.1%減となった。生産台数も、1~3月の前年同期比で22.2%減少し、3月単月でも前年同月比8.5%減となるなど、生産面ではいまだ減少傾向にある。

ジョコ・ウィドド大統領は、奢侈税減免措置の第1段階によって自動車の販売台数を押し上げることができたとし、需要・発注量が増えて各メーカーの生産が追いつかない状況にあることを示唆した。その上で「政府は国内の自動車産業の生産能力が増加することを望んでいる」として、現在起こっている発注量の増加が自動車産業の生産能力向上を促進するとの期待を示した(「コンパス」紙4月15日)。

(尾崎航)

(インドネシア)

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