非常事態宣言を2月14日まで延長

(チェコ)

プラハ発

2021年01月25日

チェコ下院は1月21日、新型コロナウイルス感染状況の悪化に伴い2020年10月5日に発動した非常事態宣言の5度目の延長を可決した(2020年10月2日記事11月4日記事11月24日記事12月15日記事2021年1月13日記事参照)。内閣は今回も30日間の延長を提議したが、野党の支持を得ることができず、延長期間は最終的に23日間に限定された。これに基づいて内閣は22日、非常事態宣言の2月14日までの延長を宣言した。

チェコでは、新規感染者数は減少傾向にあるものの、入院患者数は依然として高い水準にとどまっている(添付資料図参照)。ヤン・ブラトニー保健相は「病院では非常に緊迫した状態が続いている。また、英国型の新型コロナウイルス変異種の存在が状況をより困難にしている」と現状を説明している。

一方、最高のレベル5に現在設定されている感染危険レベルを評価するシステム(2020年11月18日記事参照)では、1月14日以降で最新のデータの24日まで10日連続で感染指数が75を下回り、感染レベル4への引き下げ条件が満たされている。しかし、保健省は上述の状況を理由に、現時点でレベル4への移行は実施しない意志を表明している。保健情報・統計局のラジスラフ・ドゥシェック局長は「入院患者数が感染レベル引き下げに足る水準にまで低下するまでには、最低2~3週間かかるとみられる」と述べている。

ただし、内閣は18日、レベル5の緊急措置(2021年1月13日記事参照)のうち、営業制限を部分的に緩和することを決定した。これにより食品や医薬品、新聞などに追加して、19日付で文房具と子供用衣類・靴の販売が許可された。

(中川圭子)

(チェコ)

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