一般情報表示規格、消費者向けでない輸入品は表示義務の対象外

(メキシコ)

メキシコ発

2020年11月25日

メキシコ経済省は11月23日、アルフォンソ・グアティ・ロホ基準局長のツイッターを通じて判断基準PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(公文書:DGN.418.01.2020.3301)を公表し、10月1日以降に輸入時の履行証明義務が強化された商品情報表示規格(2020年10月2日10月5日10月14日10月29日11月10日記事参照)の1つである一般商品情報表示規格NOM-050-SCFI-2004の対象となる関税分類(HS)コードであっても、最終消費者に販売されることがない業務用商品の場合は情報表示義務の対象外となり、特別な識別コードを輸入申告で入力することにより、情報表示なしで通関できることを明らかにした。

NOM-050-SCFI-2004は、2.1に規定する同規格の「適用範囲」として「メキシコ領土内で消費者向けに販売される全ての国産品や輸入品」としている。また、4.1に規定する「消費者」の定義として「財・製品・サービスの最終受取人として購入、利用、享受する自然人、あるいは法人」、情報表示を施す「包装」の定義として「消費者に販売するために製品を含有するためのあらゆる容器、あるいは包装」としている。経済省はこれらの規定から、「NOM-050-SCFI-2004が義務付けている情報表示は、最終消費者のより良い選択を可能にするための小売包装品に対するものであり、最終消費者の目に触れることのない業務用・輸送用包装で取引される場合は、当該NOMの履行は求められない」とした。

同判断基準では、情報表示義務の例外の具体例として、生産・製造プロセスで用いられる原材料や素材、最終製品を補完するアクセサリー、搬送・輸送・包装用の素材、研究所で検査するためのサンプルや最終製品に組み込まれる素材を挙げている。NOM-050-SCFI-2004の対象となる関税分類(HS)コードには、ボルト、ナット、ワッシャー、グリースなどの自動車産業などの工場で原材料や間接材料として用いられるものも多い。専ら工場向けにこれらの商品を輸入して販売する進出日系企業もあるため、今回の判断基準はこれらの企業の輸入円滑化に大きく寄与する。なお、日本からの輸入は多くないが、化粧品の情報表示規格NOM-141‐SSA1-2012、清掃用品の情報表示規格NOM-189-SSA1-2018についても、業務用途であり最終消費者に販売されない商品については例外を認める判断基準(それぞれ、DGN.418.01.2020.3298PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)DGN.418.01.2020.3300PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))が公表されている。

通関士が特定識別コードを輸入申告書に入力

今回公表された判断基準を適用し、情報表示なしで輸入するためには、輸入者の登録通関士が輸入申告書を作成する際に、商品情報の識別コードとして「EN」を入力し、同識別コードの補足1欄に「ENOM」、補足2欄にNOMの記号である「NOM-050-SFCI-2004」(一般情報表示規格対象品目の場合)を入力する必要がある。輸入申告書の商品情報の備考(Observaciones)の欄に「経済省の公文書(DGN.418.01.2020.3301)を基に対象外と判断される」(同上)と記載しておくと良いだろう。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

ビジネス短信 c5d21cf2d75af294