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財務相が中期予算方針を発表、成長率を下方修正、財政赤字拡大

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2020年11月04日

南アフリカ共和国のティト・ムボウェニ財務相は10月28日、今後3年間の政府予算の方針を定める中期予算方針を発表した。6月の補正予算案(2020年6月26日記事参照)時点で、2020年のGDP成長率はマイナス7.2%と発表していたが、今回の発表ではマイナス7.8%に悪化するとの見通しを示した。一方で、2021年の成長率の見通しは不確かだとしながらも、6月の発表時点から0.4ポイント上方修正となるプラス3.3%との予測を示した。

2020/2021年度(2020年4月~2021年3月)の税収は、3月末から新型コロナウイルス対策として実施した「ナショナル・ロックダウン」による経済活動の制限に伴う、個人所得税や付加価値税(VAT)、関税、たばこをはじめとする物品税などの減少を理由に、2020年2月の予算案時点(2020年3月5日記事参照)から3,128億ランド(約2兆19億円、1ランド=約6.4円)減少する見通しを示した。他方で、新型コロナウイルス経済社会対策(2020年4月23日記事参照)にかかる主に無利子支出の増加により、2020/2021年度の歳出は2月の予算案発表時点の見通しより拡大し、経常赤字はGDP比14.6%に悪化するとした。政府は以前から公約に掲げていた公務員の今後3年間の賃上げ凍結を柱に歳出抑制を図るとしながらも、債務返済費用の増加に伴い、公的債務(グロス)は2025/2026年度まで95.3%まで拡大を続けるとの厳しい見通しが示された。

近年、南アの財政赤字の拡大とそれに伴う国際的信用低下を招いてきた主な要因は、不採算経営が続く国営企業改革の遅れにあると指摘される一方で、ムボウェニ財務相は、経営難に陥る南アフリカ航空の救済(2020年7月21日記事参照)向けに105億ランドのさらなる公的資金を注入すると発表した。

今回の財政赤字拡大の発表を受け、当地の大手投資銀行インベステックのアナベル・ビショップ・チーフエコノミストは28日、11月の大手格付け会社各社による見直しの際にさらに南ア国債を1ノッチ格下げする可能性があるとの見方を示した。南アでは、大手格付け会社のうち、南アの長期債務格付け(外貨建て、現地通貨建て双方)を「投資適格級」として唯一維持し続けてきた米・ムーディーズが3月に「投資不適格級」に格下げ(2020年4月3日記事参照)に踏み切ったばかりだ。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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